
長編
お金持ちの同級生
ちびまる 2日前
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私が田舎の小学校5年生のときです。
同級生に伊作(仮名)さんと言う女の子が居ました。学校の西門の近くの大邸宅に住んでいて、体も大きく積極的で男女ともに慕われる明るい性格でした。
誕生日には手当たり次第呼ぶので40人くらいが大広間に集まり、地元のホールケーキが2、3個並べられるのが常でした。
その当時珍しい家庭用ゲーム機が最新機種あったので、誕生日のお祝いのあとはコントローラーの取り合いで主役の伊作さんは放ったらかしになっていました。
「ねえ中庭で遊ばない?」私と、友達の真由が誘われ家が何軒か連なって渡り廊下でコの字になっている空いてるスペースでバレーボールのパス練習を円陣になって遊んでおりました。
コントロールが悪くてしょっちゅう老化の屋根に乗ったりしてましたが、傾斜がついているのでガタガタいいながらも落ちてきました。
伊作さんはトイレに行くと言って私と真由の二人きりになりました。
待ってる間も退屈してたので二人でバレーボールを始めると今度は、渡り廊下の屋根にすっぽり入ってしまってなかなか落ちて来ませんでした。
私は柱をよじ登り、そのへんにある棒などで屋根を叩いて振動で落とそうとしました。ねらいは上手く行き、転がるボールを真由がキャッチしてくれました。
「だれですか」
いきなりそこに染み出してきたかのように真っ白な老人が立っていました。真っ白というのは白髪もですが肌が常軌を逸して白かったのです。生まれて一度も外に出て遊んだことがないのではという白さでした。
目はまばたきもせずがっちりと開いており、一目で狂人のそれとわかりました。
きっと怒らせてしまったのであろう、とっさに謝ることにしました。
「うるさくしてしまってすみません。伊作さんが一緒に遊ぼうって誘ってくれて、りっぱなお宅ですし壊したらいけませんよね」
私の様子に真由も同調して、二人で地べたに頭をつける勢いで謝り倒しました。老人ははじめて笑顔になって
「ああ○○子の友達なんだね。大丈夫だよ。ぼく子供は好きだから」
それからケタケタ笑って去っていきました。
それでも老人の姿が消えるまで油断出来ない雰囲気がありました。
老人はやや友人の方に身体を向けていたので私からは背中が見えました。
すると両方背中にまわした手にはしっかりと包丁のようなものが握られていたのです。
私は慌てて友人に肘で小突いてその場から去りました。建物の中で待っていると、ト
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