
数年前の冬、友人と共に山村を訪れた時のこと。私たちは観光名所として知られる古い祠を目指していた。友人たちはただの観光気分だったが、私はある理由からこの場所に来た。昔、ここでの出来事が心に引っかかっていたからだ。
雪がちらつく中、山道を進んでいると、次第に周りの景色が白く霞んできた。祠の存在を確かめるため、私は一人で急ぎ足で進んだ。やがて、目的の祠に到達し、心の中で謝罪の言葉を捧げた。
その途端、雪が激しく降り始め、視界が遮られた。道が分からなくなり、急いで戻ろうとするが、足元の雪に足を取られた。思い悩んでいると、突然、目の前に小屋が現れた。壁には「米酒、あり〼」と書かれた布が垂れ下がっていた。
「すみません、避難させてください!」と声をかけると、中から老人が現れ、「どうぞお入り」と優しい声で迎え入れてくれた。暖かい部屋の中で、米酒を振る舞われながら、老人は私たちに話しかけてきた。
「この場所は、昔から神聖な場所なんだ。お前さんは何を謝りに来たのか?」と問いかけられ、私は思わずその理由を口にした。すると、老人は微笑んで言った。「神様は、すでにお前を許しているよ。」
その後、外に出ると雪は止んでいて、道ははっきり見えるようになっていた。「まっすぐ進めば帰れる」と言われた通り、私たちは歩き出した。だが、いつの間にか、村の本殿の裏に出てしまった。
村の人に小屋のことを尋ねると、そのような場所は存在しないと言われた。何度も探し回ったが、その小屋は今も見つからない。私たちの心に残ったのは、あの老人の声と、帰り道の謎の明るさだけだった。彼は一体、何者だったのだろうか。私たちは未だにその答えを探し続けている。
私の謝罪は果たされたのだろうか。彼の言葉は本当に神の導きだったのか、それともただの幻想だったのか。雪の降る山道を思い出すたびに、背筋が寒くなる。
あの小屋の正体、そして私の謝罪の真実は、今も霧の中に隠れている。
後日談:
後日談はまだありません。
この怖い話はどうでしたか?
chat_bubble コメント(0件)
コメントはまだありません。



