
長編
お土産のブレスレット
yomo 3日前
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原因不明の皮膚病で背中や太腿の裏にひどい発疹ができ、私はというと40度前後の高熱が一週間続き、止むを得ず大学を休みました。
やっと熱が下がりリビングへ行くと、母が窓という窓を黒い紙で覆っていて、何をしているのかと問うと「隣の人が見てくるの」と返してきました。
が、うちの隣の家には人なんて住んでいないんです。
父もおかしくなり、会社から帰ってくるや否や、急に倒れ込んだかと思うと、自分の腕を掻きむしりながら天井を見つめてぼーっとしているのです。
さすがにこれはやばい、と心の中では思いましたが、だからといってどうすることもできず、私はただ狂っていく両親を見ていることしかできませんでした。
私の記憶にあるのはここまでです。
ここからは、私が目を覚ました時に親戚が話してくれた話になります。
目を覚ますと私は病院のベッドにいました。
幼い頃よく面倒を見てくれていた伯母(亡くなった叔父の姉でもあります)が、目を真っ赤にしていたのを覚えています。
そして、次のような話をしてくれました。
私の家で何か良くないことが起こっている
そう感じた伯母と祖父母が、慌てて私の家に駆けつけたそうです。
祖母が持っていた合鍵で玄関を開けると中は物凄い匂いが漂っており、恐る恐るリビングのドアを開けると、母は糞尿まみれで床に倒れ、父は身体中から血を流しながらソファに腰掛け、私はテーブルの上で胡座をかいてケタケタ笑っていたそうです。
それが、私が記憶を失ってからどれくらい経ってからの話なのかわかりませんが、その後は救急車を呼んだり警察を呼んだりと大変だったそうです。
両親がどうなったのか聞くと、二人とも命に別状はないものの精神面に異常があり暫く入院が必要との事でした。
私のほうもカウンセリングを受けさせられましたが、少し入院してから帰ることができました。
家の中はあまりにも荒れていたので清掃業者に掃除を頼みました。
この一連の出来事は私が家に戻り、両親が退院するとピタリと止みました。
ただ、どうしても納得のいかない部分が多かったので、怒られる覚悟であの神主に会いに行ったのです。
神社に着いて驚きました。
そこには神社はおろか鳥居すらなく、ブランコとシーソーだけ置かれた小さな公園がありました。
近くの家の人に神社がどうなったのか聞こうとして、はっとしました。
思い出したのです。
ここには最初から神社など無かったのだと。
ではあの日、私はなん
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- 神主さまの言う通りにしていればこんな事にも会わなかっただろうが、丸めて捨てるかね。よしくん
- 凄い。凄すぎる。物好きの魔女
- 怖すぎます。まるで小説みたい……匿名