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長編

他人の時間

匿名 4日前
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心臓の音が耳の奥で鳴り響いていました。 後ろの男は、私が振り切ろうとしているのに気づいて、しだいに距離を縮めてきました。 私は、ついに、走りだしました。 後ろを見ると、男は20メートルほどの後ろに迫ってきていました。 手に握っているナイフの鋭い先が、はっきりと見てとれました。 パンプスが片方脱げ、転びそうになったので、裸足になりました。 男は、どんどん私に近づいてきました。 男の荒い息づかいが聞こえました。 無我夢中でした。実家は、あと2分もかかりません。走って逃げきれるかもしれません。 足の裏が、砂利で痛みを感じましたが、かまっていられません。 実家の前の街灯が見えてきました。 もうあと数歩走れば、門内に転がり込むことが出来ます。 「助かった!」 そう思った瞬間、男の「があーっ!」 という、獣のような叫びとともに、肩をつかまれました。 私は、悲鳴をあげました。 鋭い痛みが背中に走りました。 男の顔が眼前にありました。 無表情でした。 細面の神経質そうな頬に、笑みさえ浮かべていました。 男の白いTシャツに私の血が飛び散りました。 男はつぎつぎに、私の腹を裂くようにナイフを立て、胸をえぐりました。 「ああ、私は死ぬんだ……」 そう思った瞬間、目が覚めました。 いつもと変わりない、アパートの一室のベッドの上でした。 身体じゅう汗まみれで、全身が震えていました。 「そうか、あれは夢だったんだわ」 私は、改めて思い出して、大きく息をしました。 まだ心臓がどきどきしています。 ひどい悪夢でした。 時計を見ると、午前1時です。 仕事で疲れていたのでしょう。 私はパジャマを着替え、ミネラルウォーターを飲んで、ふたたびベッドに入りました。 それからは夢も見ず、ぐっすりと朝まで眠りました。 目覚まし時計のベルが鳴って、目を覚まして、いつものようにテレビのスイッチをつけました。 すると、おかしなことに気づきました。 目覚まし時計が、20分も遅れていたのです。これでは、会社に遅刻です。 おかしなことに、部屋の掛け時計まで、20分遅れていたのです。 私は慌てて、会社に行く準備をしました。 腕時計を見ました。 これも、20分遅れ。 テレビがニュースを報じていました。 「昨夜午前1時20分ころ、S市の会社員、星野加奈子さんが、駅から帰宅途中、路上でナイフでメッタ刺しにされ、死亡しました。犯人は近所に住む無職………」 驚いたことに、場所は私の

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  • 犯人は何が目的だったんだろうな… あと少しで逃げ切れたのに悲惨だ… 『滅多刺し』って事は1人コロしただけだとしても、シケイの可能性は高いな。
    オカルト好き
  • その被害者の女性とあなたの体がリンクしていたという事? 夢でも見たくないのに実際体験している感覚。不思議・・・ なかなか体験できないことですよね~?  自分だったらしばらく寝られない。
  • 誹謗中傷と捉えます、あなたのコメ! 訴えることも可能だよ。 自分の嫌いな書き込みなら、飛ばせば?
    terribletoyou
  • 幽霊の話せんかえっ!
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