
短編
廃病院の黒い影
匿名 2日前
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大学生の頃の話。
俺は、友達と男3人で廃病院に肝試しに行った。
そこは15年くらい前から廃墟になっていて、田舎の山の中のほとんど民家もないような場所にある。
夜11時頃、3人で懐中電灯を持って中を散策した。
廃墟にはありがちな落書きや、壁などの破片が床に落ちていて、不気味な感じだった。
3人とも、自分がビビりだと思われたくないから黙っていたが、内心では今すぐ出て行きたかった。
そんななか、最上階の4階の病室を見ていたときである。病室にはベッドや仕切りの衝立が残っていたが、とある部屋の衝立が斜めの微妙な角度になっていて、その仕切りのベッドが廊下から見えていた。
俺は、何か違和感や気配を感じてその仕切りやベッドをよく見ていると・・
ベッドのすぐ横に誰かが立っているように見えた。
暗いのでシルエットのような影しか見えないが、背格好から男の影だった。
誰かが立っているように見える何かかなと、思っていると・・
黒い影の目が赤く光っていた。
真っ暗の中の真っ黒な影だが、二つの目にあたる部分が真っ赤に光っていた。
なんだろう?
俺は立ち尽くしていると、何者かに肩を叩かれた。
ふと振り返ると、そこには友達が
「何やってんだ。もう行くぞ。」
そして、友達とともに道を引き返して、車に戻った。
車の中で俺たち3人はしばらく黙っていた。
病院から離れて、街の中に来たところで少し安心する俺たち。
そこで、やっと話しはじめ、さっきの肝試しの話になった。
そして、みな口を合わせたかのように
「目が赤く光る黒い人影を見た。」
と言った。
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