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風乃駅
長編

風乃駅

2015年5月1日
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この話はもう15年ほど前の話です。 まだ若かった私はよく出会い系で知り合った女性や男性と遊んでいました。その時優しくてかっこいい男性と出会ってその人と合う約束をしてしまい。 少し遠かったにも関わらず電車を利用して遊びに行く事になったんです。 夕方に出て付くのは夜くらいだろうと余裕を持って電車の中で寝てしまいました。 それから三時間くらい立ったんでしょうか。終電の音で目が覚めて急いで降りるとそこは風乃駅(かぜのえき)と書いてありました。 私はそんな駅の名前を聞いたことも見たこともありません。 駅員さんも人すら居らず一人ぼっちになってかえる道すらわからず。 出会い系で知り合った男性に電話をかけてみたんですけど「そんな駅ないよ!ちゃんと用事が出来たなら出来た。来たくなくなったなら来たくないってはっきり言えよ。嘘つかずにさ」って信じてもらえる用な自信など掻き消すように怒鳴られました。 電話を切ったあとこいつはダメだなと思い。彼氏に連絡をして迎えに来てもらおうと電話しましたが。繋がらず…家族も繋がらず… 仕方なく少しウロウロして110番にかけてみたんですがイタズラだと思われ扱ってもらえず。 でもその時ここは私だけに見える世界なんじゃないかと思うと若い私にとっては興味をそそりそのまま一人るんるんで駅を出てみました。 駅を出て真っ暗な道路?住宅街?よくわからない場所を歩きながら「さっちゃんはねさちこっていうんだほんとはね。だけどちっちゃいから自分のことさっちゃんって呼ぶんだよ♪」さっちゃんの歌を歌ってスキップをしていました。 その時電気の付いた住宅街がいっぱい見えてきました。それでまた私はるんるん♪♪ とりあえず人を見たくて家を片っ端から「ピンポーン」しまくり。 でも誰も出てきませんでした。 寒いし誰がに見られてるような気配を感じて近くの家の前に行きドアノブを掴みました。 「ガチャ」「わっ!!!やったー開いたーおじゃまんぼすまんごー」靴はちゃんと脱いで揃えて入りました。 なんと言っても暖かくて眠気が襲うほどゆっくりくつろげる家でした。 古くなくて最近建てたばかりのような外見と中身。まるでドラマで使われる家のような感じです、 ソファーに座ってテレビを見てるとお腹が空いてしまって冷蔵庫を開けると。 お肉が大量に入ってて。嬉しくなってお肉を焼いて冷蔵庫の横の棚に並べてあるワインを1つあけました。 なんかここに来てよかったーなんて思って他の部屋も見に行くと。子ども部屋といっても。中学男子の部屋みたいな。 あと寝室ベットがランプを挟んで2つ。ちょっと高い二人分のビジネスホテルを意識した感じかな!そんでババアの部屋みたいなのがあった。 和式一つ様式3つ。リビングとかトイレお風呂台所は様式! 2階もあったけど見てない。真っ暗だったし。眠かったし早くあの寝室で寝たかった。 肉とワインで楽しむセレブを気取ってみたりして。でも2階の部屋から。「パパーママー」って叫ぶ声がして。ハッとした。でも疲れてたし眠かったのもあって空耳だと思うことにした。 そして寝室に行こうとした時電話がなって 彼氏からだった。要件内容は。 彼「早くその家をでろ」私「はぁ?あんた私がどこにいるか知ってるのかしら」 彼「いいからそこをでろ」私「わたくしにたいしてナンデスのその話し方は」 自分でもしゃべり方が変になってるのがわかった。でもどうすることもできず 居ると彼はひつこく「その家をでろ。死ぬぞ?ガキの操り人形になるぞ」 そう言われた時さっき子供がパパーママーって読んでたのを思い出した。 その瞬間急いで家を出た。 風乃駅に向かって。急がなきゃならないんですのよーとか叫んでた気がする。 誰かズックで「パタペタパタペタ」追いかけてくる音が聞こえて。振り向かずに風乃駅の中に逃げ込んだ。 そのまま座り込み携帯を見ると彼と電話がつながったままだった。私「もしもし?」 彼「…」私「なに?なんか話しなさいよ」 彼「…」私「ねぇ。。。ごめん。。。本当にごめんなさい。。。あぁぁぁぁ。。。」 その時初めて泣いた。怖くて怖くて怖くて。 「パタペタパタペタパタペタパタペタパタペタパタペタ」 この音って。。。誰か私の後ろに立った 人間どんなに怖くても振り向いちゃうもんなんですよね。 ぱっと振り向いたら。小学一年生くらいの男の子だと思う。顔や服装は見てないでも身長は座り込んだ私と同じくらいだったから。そんくらいかな。 話を戻すと。振り向いた瞬間ナイフをかざしていて。びっくりした私は腕で顔をカバーした。 そこで目が覚めた。電車の中だった。夢だったんだと思ったら腕に大きな傷があった。ミミズ腫れみたいになって。 そのままぼーーーっとしてて。 駅を降りて駅を出たらいっぱい人がいた。騒がしい町並みが溢れてた。家に帰ろうも思い駅を出て歩き出そうとしたら斜め前に小学一年生くらいの体に顔だけおばあちゃんの妖怪らしきものがナイフを持って誰かを探しているみたいだった。 そのまま私は走って帰った。 あれから15年ほど立ち。あの時の彼と結婚して。今一年生になる息子もいます。 でも。。。たまに。。。息子の。。。顔が。。。

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