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10時間前
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「あかり、手、つなご?」

「いいよ」

差し出した手を取ると、由紀は嬉しそうにその手を振り始めた。二人で街外れの公園を歩く。

由紀の手はほんのりと冷たかった。

人と手をつなぐ時、握りやすい方と握りにくい方があることを、あかりは知っていた。母親と手をつなぐとき、母はいつもあかりに握りやすい方を渡してくれる。

由紀と手をつなぐ時はいつも握りにくい方だったが、今日は違っていた。自然に握れる。

少し不思議に思ったが、あかりの手をまるでおもちゃのように振る由紀を見て、いつも通りの由紀だと微笑んだ。

「どうしたの?」

「いや、なんでも。もう暗くなってきたね」

「秋だからね。夕方は早いよ」

由紀が楽しそうに言うと、あかりも続けて言った。

「落ち葉の季節だね」

由紀は笑った。

昨日から学校も秋休みに入った。

待ちに待った秋休み。でも昨日は、家で終わらない宿題に追われて一日が終わってしまった。

由紀が遊びに来なかったからだ。

町の小学校で友達が少ない上に、あかりと由紀は小さい頃から仲が良かった。

特に約束がなくても来ると思っていたが、何か用事があったのか、もどかしい気持ちでいるうちに暗くなってしまった。

あかりの方から誘いに行くのも良かったのだが、由紀から誘われなければ宿題を放り出す理由がなかった。

「秋と言えば」

口にしてみたものの、その先が思いつかなかった。

「秋と言えば?」

聞き返されてから考える。

「……紅葉?」

「それも良いけど」

何が面白いのか、二人して笑った。

「秋と言えば」

今度は由紀が言う。

「秋と言えば?」

「怪談!」

おお~、確かに、と同意しながらちらりと由紀を見る。

ひょっとして、昨日遊びに来なかったのはそのせいだろうか?

「では、ここで一つ怪談を」

由紀が手を口元に持ってきて、わざとらしく咳払いをした。

なるほど。由紀は昨日怪談にはまっていたのだ、とあかりは思った。

きっと、兄の影響だろう。

そして、怖い話をあかりに聞かせようと覚えてきた。

今日一日、どのタイミングで切り出そうかと機を伺っていたのに違いない。そう言えば思い当たる瞬間があった。

あかりは思わず頬を隠すように公園のベンチに顔を向けた。

「『かくれんぼ』っていうお化けの話なんだけど……知ってる?」

「かくれんぼ?」

あかりはまだ由紀の方を向けずにいた。

「そう。『かくれんぼ』っていうお化け」

どうにか普通の顔に戻して、由紀を見て首を振る。

「聞いたことない」

答えると由紀はにやりと笑う。

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はじめまして、よろしくお願いします。

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