
私が大学に進学したばかりの冬、初めて一人暮らしを始めました。新しい生活に胸を弾ませながら、近くの高層ビルに住むことに決めました。
ある日、エレベーターの中で見知らぬ中年男性と鉢合わせました。彼は私に優しげな笑顔を向けてきて、すぐに挨拶を交わしました。「こんにちは、最近引っ越してきたの?」と。
その後、毎日のように彼とエレベーターで顔を合わせるようになりました。彼はいつもニコニコと私に話しかけてくれ、私も少しずつ彼との会話を楽しむようになっていました。
しかし、ある晩、帰宅途中にふと振り返ると、彼が後ろをついてきていることに気づきました。心臓がドキッとし、私の中で警報が鳴り響きました。私が気にしないように努めていると、次第に彼の存在が異様なものに思えてきました。
その夜、エレベーターに乗った際、彼が現れました。彼はいつもよりも近くに立ち、顔が引きつっていました。「君のことが心配でね。何かあったら言ってくれ」と言いながら、私の肩に手を置きました。その瞬間、私は恐怖に駆られ、一瞬でエレベーターのボタンを押しました。
彼の優しさの裏には何か異常な感情が潜んでいる気がして、次の日からはエレベーターを使わずに階段を使うことにしました。しかし、彼は毎晩、私が降りるのを待ち構えているようでした。
ついに耐えきれず、ある日、警察に相談しました。すると、驚くべきことが分かりました。彼は以前から私を見守ってきていたというのです。「君に危険が及ぶことがないよう、僕が守らなきゃと思って」と、彼は言ったそうです。私の恐怖は、彼にとっての「愛情」だったのです。結局、私はそのアパートを引っ越すことを決意しました。彼の優しさが、私の人生を脅かすものになっていたのです。
新しい場所に移った後も、心の奥に彼の笑顔が焼き付いていて、時折不安に襲われることがありました。彼の優しさは、私にとって恐怖の象徴となってしまったのです。
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