
長編
犬のおばさん
匿名 3日前
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を聞いて、
「旅って…どこへ行くのか言ってた?」
と聞いたのですが、
祖母は行き先は特に言われなかったので知らなかったそうです。
「数日で帰ってくるって言ってたから、きっとすぐ取りに来るよ」
と祖母は説明したそうなのですが、
母はなんだか気味が悪いから犬のぬいぐるみは今すぐお店に置いてきて欲しい。と、お願いしたそうです。
祖母はなんだか雰囲気がおかしいと感じつつ、怖くなってしまうからその事を完全に認めるのが嫌だったそうで
大げさだと母に言いながら不機嫌になったらしいのですが
母はそんな祖母を説き伏せて、ぬいぐるみをお店へ持って行くことにしたそうです。
2人で行くのはなんとなく怖いという理由から寝室でテレビを見ながらくつろいでいた父に事情を説明し
母の勢いに父と祖母が負けた形で3人でぬいぐるみをお店に置きに行きました。
祖母は、私の熱と電気が急に切れたのは確かに少し不思議だけど
いくらでも説明できる偶然だし冬に子供が熱を出すなんて普通の事だと、母へ少し怒っていました。
それからの数日間、母と祖母は少し気まずそうだったのをよく覚えています。
翌朝、私の熱はすっかり下がったのですが念の為翌日は学校を休んで病院へ行きました。
結果は特に問題なく、元気なのに休めてラッキーと喜んだ記憶があります。
それから数日後の昼間、いつも通り祖母がお店に立っていたところ
40代半ばくらいの男性がお店へ入ってきたそうです。
「こんな時間に、ましてや男性がうちの店へ入るなんて珍しいな」と思いながら
笑顔でそのお客さんに挨拶したところ、その男性は
「初めまして、○○(犬のおばさんの名字)の息子です」と、名乗り祖母へ軽くお辞儀しました。
祖母は、息子さんがたまたま店の前を通りかかったか、お母さんへのギフトを選びたいのかと思い
ちょうどいいからぬいぐるみも渡してしまおうと思って、
挨拶もそこそこにして預かっている犬のぬいぐるみをレジカウンター後ろから取り出したそうです。
ぬいぐるみを見た瞬間、息子さんは難しい顔をして祖母に静かに話し始めました。
「ありがとうございます。実は、悲しい知らせがありまして。
母が先日海へ入水自殺しまして。遺書も見つかり、
その遺書に犬のぬいぐるみは□□さんに預かってもらったと書いてあったので今日は
ぬいぐるみを取りに伺ったんです。この度はご迷惑をおかけしました。
いつも母によく接してくださりありがとうござ
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