
秋の夕暮れ、私は高校の友人たちと肝試しを計画していた。行き先は近くの廃校。そこには、昔の生徒が亡くなったという噂があり、心霊スポットとして知られていた。
廃校に着くと、暗くなりかけた校舎の影が長く伸びていた。友人の一人が、ここで数年前に自殺した生徒の話を始めた。彼は放課後、校舎の裏で誰もいない空間に消えてしまったという。
その話を聞いていると、突然、冷たい風が吹き抜け、私の背筋を寒くした。友人たちは笑いながらも不安そうな表情を浮かべていた。
教室の中に入ると、薄暗い光が差し込む中、古びた机が無造作に置かれていた。私は前を歩いていた女の子と話しながら進んでいると、後ろから誰かが私の名前を呼ぶ声がした。振り返ると、友人の一人が私を見つめていたが、彼の目が異様に光っていた。
その瞬間、彼は私の腕に飛びついてきた。まるで獣のように噛みつく勢いで、私は驚いて後ろに倒れそうになった。周りの友人が彼を引き剥がすと、彼は元に戻り、何が起きたのか理解できない様子だった。
私の腕を見ると、そこには湿った跡が残っていた。まるで誰かに触れられたかのように、冷たい感触が残っている。友人の腕は乾いていて、何もなかったかのように見えたが、私の腕からは鉄のような生臭い匂いが漂っていた。何が起こったのか、私たちの中に残ったのは恐怖だけだった。廃校を後にする頃、私の心には消えない不安が残っていた。何が私を襲ったのか、答えはどこにもなかった。
その晩、夢の中で何度もその声が響き続けた。あの廃校から、何かが私を呼んでいるようだった。私たちが知ることのできない、何かが。
それ以来、友人たちは皆、あの廃校には二度と近づかないと誓った。私だけが、あの冷たい感触を忘れられずにいた。
今でも、あの声が耳に残っている。あの校舎には、まだ何かがいるのだろうか。恐怖とともに、私はその問いを抱えたまま日々を送っている。
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