
長編
人を呪わば穴二つ
つなか 2日前
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桜も咲き始める3月下旬。
長い学生生活も終わり、ずっとお世話になったコンビニバイトの最終日。いつもは1人で行っていた夜勤に、店長が付き合ってくれた。
と言っても、店長は裏のデスクで発注作業。
最後くらい手伝ってくれてもいいのに、と思っていると、入り口のチャイムが鳴った。
いつも来る、店内の写真だけ撮って帰るおじさんだった。
思えば、入りたての頃からずっと夜中の2時ごろに来ては、レジ前のグミコーナー、アイスケース、トイレ前の三ヶ所の写真を撮っては帰る、そんな不思議なおじさんだった。
いつもは、面倒くさい人だったら嫌だなと声をかけなかったが、今日は最終日。
声をかけなかったらきっと後悔する。
「あの〜、どうしていつも写真を撮られてるんですか?」
おじさんは笑顔でただ一言こう言った。
「この人たち、寂しそうだから」
「〇〇〜!ちょっといい〜?」
店長が呼んでいる。
おじさんに、「そうですか、教えていただきありがとうございました!」と一言告げ、店長の元へと向かった。
「どうしました?」
「〇〇、あのおじさんと何話してたんだ?」
「なにって、、なんでいつもフロアの写真撮ってるのか聞いたんですよ」
「…。なんて言ってた?」
「なんか誰かが寂しそうだのなんだの言ってました。なんのこっちゃサッパリですわ」
「…。そうか。聞いたのはそれだけか?」
「はい。。そうですけど。。」
なんだか気味が悪い。
この時、何かとても嫌な予感がしたのを覚えている。
フロアに戻るとおじさんは居なくなっていた。
しかし今日はヤケに人が少ない。まあ仕事が捗るからいっか、と黙々と作業を続けた。
発注を終えたのか、3時前に店長は帰ってしまった。帰り際に、「いままで仕事頑張ってくれたから!」と赤いお守りを渡された。そこは普通飲み物とか食べ物とかだと思っていた。お守りて、、
仕事もあらかた終わり、3時半に差し掛かろうとした時。
駐車場を映している防犯カメラに、さっき来たおじさんがドア前で突っ立ってるのが映り込んだ。どうやらお店に向かい拍手しているようだ。
満面の笑みで、何か言いながら、お祝いのような感じで拍手している。
なんだなんだぁ?とフロアに出ると、
「良かったね!!!もう寂しくないんだね!!良かった良かったあ!!!」
と結構デカい声で喋っている。そしておじさんは僕を見るなり、満面の笑みで頷くと、そそく
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