
知ってるかい、蠱毒という言葉を。中国の古い呪術で、様々な生物を閉じ込めて共食いさせ、最後に生き残ったものを呪いに使うという、恐ろしい儀式なんだ。
人間の世界にも似たようなことがある。私の友人Bは、子供の頃から釣りが大好きで、特に生き餌を使って釣るのが常だった。ある冬のこと、彼女はカラフルな幼虫を買って、釣具と一緒に物置にしまった。その幼虫は、赤やら青やらに染まっていて、一目見ただけで気持ち悪くなったのを覚えている。
しかし、釣りが急遽中止になってしまい、Bはその幼虫のことをすっかり忘れてしまった。3年が経ち、冬の寒いある晩、物置に入ると、ふとそのケースを思い出した。心臓が高鳴り、ドキドキしながらも、彼女は思い切って蓋を開けることにした。
ケースの中には、干からびた幼虫がいくつか見えたが、何かが動いているのを感じた。すると、突然、一匹の羽のある生き物が飛び出してきた。驚きのあまり声を上げるB。何の虫だったのか、記憶は曖昧だが、確かにその瞬間、何かが彼女の心に不安を植え付けた。
その虫は、果たしてどれだけの仲間を食べて生き延びたのか? ケースの中には他に何もなく、ただ他の幼虫の残骸と、糞と思われるものが散らばっていた。彼女はその虫が、暗くて閉ざされた空間の中で何を思い、何を感じていたのか、想像するだけで背筋が寒くなった。
この出来事は、蠱毒のように人間社会にも当てはまるかもしれない。それぞれの暗闇の中で、勝者が生まれる理由は様々だが、どんなに恐ろしい事実が隠れているか、誰もが知る由もないのだ。
この不気味な勝者の存在は、私たちに何を示唆しているのか。生き残ることの意味、そしてその裏に隠された代償について、考えずにはいられない。
多くの命が犠牲になったそのケースの中で、最後に残ったのは、ただ一匹の虫。それは、果たして幸運なのか、不幸なのか。
暗闇の中で、勝者は静かに生き続けている。彼女はその瞬間を忘れられないだろう。
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