
俺は映画が大好きで、特にホラー映画に目がない。いつも友達と観るのもいいが、今日は一人で静かに楽しむつもりだった。冬の寒い夜、空いている映画館に足を運び、待ちに待った新作ホラーを観るために座席に腰を下ろした。手には大きなポップコーンとドリンク。
上映が始まってからしばらく、ストーリーに没頭していたが、突然、背後から何かが触れた気配を感じた。まるで誰かが自分の肩を叩いたような感触だ。振り返ると、スーツ姿の人がいるが、目が合うとそのまま視線を逸らした。空いているのにどうして?と思いつつ、また映画に集中した。
クライマックスが近づくにつれ、緊張感が高まった。その時、また背後から、今度はしっかりとした手で目を触られた。驚いて振り返るも、誰もいない。気のせいかと思いながらも、少しぞっとした。帰宅後、鏡で自分の目を確認しても異常はなかった。
だが、数日後、目がかゆくなり、目やにが酷くなる。膿が溜まり、開くのも辛い。心配になり、眼科に行くと、医者は驚いた表情でこう言った。
「淋菌に感染しています。放置していたら視力を失っていたかもしれません。」
恐怖が心を締め付ける。あの時、誰が自分の目に触れたのか。映画館での出来事が、今もなお脳裏に焼き付いて離れない。何かが、俺の目を狙っていたのかもしれない。あの不気味な触れ合いは、ただの気のせいではなかったのだろうか。恐れは、映画の中だけでは終わらなかった。
今では、映画館に行くことが恐怖になってしまった。あの影が、また現れるのではないかと、心の底から怯えている。
あの日の映画が、俺の人生を変えてしまった。
そして、目を閉じるたびに、あの時の感触が蘇る。
もう、映画は観られない。
あの影が、俺を見つめているから。
その目は、決して忘れられない。
それ以来、映画館には行けなくなった。
ただただ、目を閉じることしかできない。
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