
中編 emoji_events 殿堂入り
メリーさん。
ヨッピ 1時間前
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の電話が鳴り、知らない女の子の声が受話器から聞こえる。
「私メリーさん。今あなたの後ろにいるの」
振り向くと、そこには見た事もない少女が悲しそうな表情を浮かべ立っていた。
僕はそのあまりにも悲しそうな顔の少女に、何て声をかけて良いのかわからず、考えて考えてやっと僕の口から出た言葉は「一緒に遊ぼう」だった。
少女は一瞬ビックリしたような、戸惑ったような複雑な表情をし、それから微かに微笑んで答える。
「遊んで…くれるの…?」
少女の見せた笑顔に嬉しくなった僕は、思わず少女の手を取り言った。
「もちろん!」
繋いだ手からは、少女の暖かさが感じられた。
目が覚めた時、僕は病院のベッドに寝かされていた。
側にいた両親は目を覚ました僕に気付くと、泣きながら僕を強く抱き締め、その後で思いっきり僕の頬を打った。
頬に伝わる痛みが、僕の記憶を呼び覚ます。
あの日、さまざまな事から生きて行くのが嫌になった僕は、ネットで手に入れた大量の睡眠薬を飲んで死のうとしたんだ。
そして意識が朦朧とし始めた時、メリーさんと名乗る女から電話がかかってきたんだ…。
メリーさん?
その名前を思い出した時、今まで忘却の彼方に埋もれていたものが鮮明に蘇る。
ずっと昔、メリーさんから電話がかかってきた事があったんだ。
それどころか僕はメリーさんに会っている。
その瞬間、僕は全て思い出した。
その時見たメリーさんの笑顔、手を繋いだ時のぬくもり。
そしてそれが意識を失う直前に感じた暖かさと同じだった事を。
知らない間に僕は泣いていた。
悲しいわけでもないのに、涙が止まらなかった。
それから何日か経ち病院を退院する日を迎え、辛い現実は何一つ変わっていなかったが、我が家に帰って来て初めての夜にかかってきた一本の電話によって、僕は辛い現実に負けずに立ち向かう勇気を持つ事ができたのだった。
そして自殺未遂をした日から今日まで、再び死のうと思うような事は二度となくなった。
最後に一つ。
今後メリーさんは、もう二度と誰かの元に現れる事はないと思う。
その答えは、あの夜かかってきた電話が物語っているから。
『私メリーさん。あなたの側でずっと見守ってるわ』
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- 怖いというより感動メリーさんいいやつかろ
- 怖いというより感動メリーさんいいやつかろ
- 怖いというより感動メリーさんいいやつかろ
- なんやええやんけ匿名人間
- 感動したy
- ふざけている?qw
- ふざけている?qw
- 何だよ純愛かよ!もっちょちょ
- ネットじゃ処方してくれるような強いやつは買えないぞ。あと100錠飲んだとしても逝けないから笑は
- いい話でうるっときた。たくまん