
短編
車のトンネルを走る電車
匿名 3日前
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僕が子供の頃の話。
何の用事の帰りか覚えてないが、夜、父の運転する車で高速道路を家に向かっていた。僕には母や他の兄弟もいるが、このときはなぜか父と2人きりだった。
僕は後部座席でときどき寝たりしながら、目が覚めると外の景色を見ていた。このとき、父は黙々と運転していて、僕に話しかけたりしなかった。
子供なら寝ているようなだいぶ遅い時間だったと思う。
車は、高速道路の長いトンネルに入るところだった。
トンネルの中を走っていると、僕の乗っている車は何か長いものに追いついた。
それは電車だった。
電車をトラクターで運んでいる訳でもなく、明かりのついた普通の電車が走っていた。中には乗客もいる。
僕は、絵本で見た道路を走る電車(道路・線路併用道や路面電車など)かなと思っていた。
車はひたすら電車を追い越していった。
先頭車両には運転士さんもいた。
車は電車を追い抜き やがて見えなくなった。
・・そして、気づいた。
そのトンネルには線路がなかった。勿論、線路が道路にうまっている訳でもない。
あの電車はどこから??
・・・
だいぶ経ってからあのときのことを父に聞いてみても、「そんなのお前の見間違いだろうし、大体二人だけでドライブしたことなんてあったか??」
と言われた。
トンネルで不思議なものを見た以前に、なぜ子供の頃に父と僕の2人だけで遠出しなければいけなかったのかも謎だった。車で遠出するような場所に親戚がいるというようなこともないし。旅行なら、母や兄弟も連れて行くだろう。
全てが謎の記憶だった。
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chat_bubble コメント(2件)
- 凄く怖いかったです。本当に怖い話をテレビでやってました。今年怖い話のテレビで余りやらなかったですね。でも話は良かったです。 ❤️赤
- 夢では?宮崎文夫