
冬の寒い夜、親戚のTさんと私は古いアパートで友人を招いて心霊動画を観ていた。霊能力者が様々な心霊写真を解説するその動画に夢中になっていると、Tさんがある写真を見て突然、これは偽物だと断言した。写真には本来あるべき腕が消えていたが、私にはそれが本物かどうかよくわからなかった。動画の霊能力者も偽物だと言ったが、Tさんはなぜかそれを先に見抜いていた。
「どうしてそんなことがわかるの?」私は興味津々で聞いた。Tさんは淡々と、実は自分には霊が見えるのだと教えてくれた。私はさらに興味をそそられ、私の住んでいるアパートにも霊がいるのか尋ねた。すると、Tさんは少し困ったように、今一緒にいる友人が実は幽霊だと静かに告げた。
その言葉に私は驚愕した。友人の顔を見ても、特に変わった様子はなかったからだ。動画が終わると、友人は何事もなかったかのように帰っていった。私はその後、Tさんと普通に遊んでいたが、心の中には疑問が渦巻いていた。
時が経つにつれ、私が成人する頃には、Tさんと会うこともなくなり、心霊現象の話をすることもなくなった。親から聞いた話では、その友人はただ遊びに来ていた霊で、特に害はなかったとのことだ。しかし、当時の私はその友人の姿を全く覚えていなかった。親は、私が友人と遊ぶ姿を見て心配していたというが、私は全く恐れを感じていなかった。
Tさんと遊ばなくなった後、私の周りから霊の存在は消え、何も見えなくなった。親はその理由に困惑し、私が不思議なことを話すことがなくなったと振り返る。しかし、私には怖い思い出はなく、ただTさんとの楽しい記憶だけが残っている。今となっては、見えないものがそこにいることの恐怖を味わったことがある親に感謝をしながら、あの時の不思議な出来事を思い返している。結局、何が現実で何が幻なのか、私にはわからないままだ。 それでも、今は何も起きなくて良かったと時々親に言われる。
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