
長編
視線を感じる
えい 2020年12月14日
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した顔で、詩音さんが此方を見ていました。
紫雲「詩音さん、そんなに緊張しなくても大丈夫ですよ。いつもの様にリラックスしていて下さい。」
そう声を掛けると、少し戸惑った顔で母親の方に目を向けると、母親は軽く頷き詩音さんの背中を軽く叩いてから、詩音さんの緊張は少しだけ解れた様子でした。
紫雲「一通り、部屋を見せて頂きましたが、何処に居ても、誰かの視線を感じますね。この家は、昔ながらのものでしょうから、何か住み着いて居てもおかしくは無いのですが…そういった類いのものは居ませんね。この家は、借家とお聞きしましたが、不動産屋に連絡着きますか?」
そういうと、担当の人の連絡先をこの間、教えて貰ったと言われたので、ご主人に連絡をお願いしました。
紫雲「此方に来て欲しいと伝えて下さい。」
そんなやり取りをしていると助手の一人がある襖を凝視しているのが目に入りました。
それは、居間の隣のその奥にあった部屋の襖でした。
カーテンや障子戸を開けていても、その奥の部屋は暗く襖は閉まった状態。
部屋を視て回った時には開けましたが、中は薄暗い程度で普通の部屋でした。
助手Aが、襖を凝視している事に気付いた母親も奥の方を見ていました。
紫雲「さて…。」そう声を出すと襖を凝視していた助手Aは此方に顔を向けました。
電話を終えた父親も戻り、話始めました。
紫雲「まず最初に思った事は、良くこの家に住んでいられたな…と。」
私達が居間に入った時の様子を思い出したのか、誰かが「あっ」と声を出しました。
紫雲「普通は、外から家の中を貫通し、また外に伸びているものなのですが…この家では、家の中だけにありました。」
それは何か?と父親が聞いて来たので。
紫雲「霊道という、亡くなった方々が通る道の事です。」
そう言うと、全員が各々の顔を合わした。
紫雲「何処に居ても、誰かの視線を感じる。と言われていましたよね?当然だと思いますよ。」
そう言うと、娘さん二人は「私達の部屋にもソレはあるのか?」と心配そうに聞いてきました。
紫雲「黙っていてもしょうがないから言うけど、有りますよ。」
そう言うと、莉音さんが先程、私がテーブルに置いた 御札を指差して言います。
莉音「その御札を張っていたら、さっきみたいに私達の部屋のものも消えるんじゃないですか?」
紫雲「これは、一時的なもので、ずっとは効かないの。原因になっている
後日談:
- 話の流れでは、莉音が先に気付いた様に書きましたが、実は詩音の方が先に気付いていた様です。 誰にも言わなかったと言ってました。
この怖い話はどうでしたか?
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- 紫雲さん、相変わらずの読み手がまるで そこにいるような臨場感でゾ〜…っとします。怖いですね。 続編 楽しみに待っています。K
- 小説のように分かりやすく背筋が凍るような怖い話でした。原因は呪物のようなものでしょうか?続きが気になります。ななみん
- 勝手に読んで、勝手にストレス感じて、それをわざわざ書き込むとか、暇人にも程があるな。ポルポトはサル
- 初めて読んだけど文脈がおかしかったりして少しストレスを感じた・・・あい
- このご時世だとコロナ関係で医療関係者は忙しいですが、『病は気から』というように霊能力関係でもコロナ影響はあるんでしょうかね? 人様の死を願う呪いは幾多もあることですし通りすがりの喫煙者
- 紫雲さんのお話大好きです。続き楽しみに待ってます。あい
- 続きが気になります陸奥
- 霊道ってどうすれば対処できるんだろう? 先の話が気になりますね。 楽しみにしてます。たくまん
- かなり怖かったです…ゾゾっと来ました。しゆか