
私は晴雄(仮名)、62才で妻と子供がいる。
私には和子(仮名)という妹がいた。
和子も夫や子供がいた。
それぞれ円満な家庭を持つ何の変哲もない兄妹だった。
和子は今年で60才になった。
和子の短い髪はすっかり白髪になり、初老のおばあさんという外見になっていた。
若い頃の和子は割と可愛い女の子で、髪型や服などに気を遣い、華やかな感じのする女だった。
可愛らしい感じの和子は彼氏が何回もできて、この前彼氏とどこ行ったのような話もよく聞いた。
私は和子のことなら、和子の夫よりも詳しく知っていた。
今では、若い頃の面影はなく顔といい服装といい年相応の外見になっていた。
和子の60才の誕生日から数日後の日曜日、私は和子と二人で待ち合わせた。
還暦祝いの会なら身内で行われたが、それとは別に和子が私と二人で会いたいと連絡があった。
両親を亡くした私たちにとって、子供の頃からの身内は和子しかいなかった。
その私と和子も60才を過ぎてしまっていた。
私は料亭で予約を取り、昼に和子と待ち合わせた。
私を見て笑顔になる和子を見ると、小さな女の子だった頃の妹を彷彿させる。
そして料亭で座敷に行き、和子と向かい合わせに座った。
和子は嬉しそうに俺を見ていた。
料亭といってもそれ程高いものというでもなく、鍋料理を注文した。
寒い時期なので鍋で体が温まった。
私も和子も鍋をゆっくり味わうように楽しんだ。
鍋を食べながら、和子と談笑した。
家庭の近況とか、テレビの話題とかたわいもない話だったが、和子と二人で食事をするのもなかなかいい気分だった。
私は好きな銘柄の日本酒をちびちびと飲み、和子は付き合い程度にビールを少し飲む程度だった。
私自身60才過ぎて体が衰えて和子もだいぶ年を取ったなと感じていた。
そして予定の二時間はあっという間に終わり、私たちはほろ酔いのいい気分で外に出た。
「ねぇ、晴雄さん。これからどうするの。」
和子は私を晴雄さんと呼ぶ。
小さい頃や若い頃はお兄ちゃんと呼んでいたが、いつまでもお兄ちゃんと呼ぶのは変だからか、お互い家庭を持つ頃には晴雄さんと呼ぶようになった。
体は少し酔っていたが、まだ3時前で太陽が眩しかった。
私と和子は料亭近くの公園を散策し、花畑を見て楽しんでいた。
地味だが、年をとった私たちにはこのような楽しみがまたよかった。
そしてさらに歩くと、昔ながらの魚屋やお菓子屋などが並ぶ商店街に来た。
私たちは懐かしくそれらの店を見ていた。
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