
中編
ある病院で。。
匿名 2022年3月2日
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もうかれこれ20年以上前の前のお話です。
私は次男を妊娠して、もうすぐ出産という冬にインフルエンザに罹ってしまいました。
出産のため、里帰りをするはずが急遽、入院、、、
それまで定期健診に通っていた近くの国立病院の6人部屋に一人で過ごすことになりました。
高熱と、不安でなかなか眠ることができずにいました。
しばらくしたら、目をつぶると瞼の裏がぐるぐると回ります。
そのぐるぐるに吸い込まれるような感じになったかと思うと
病室に私は横たわっている感覚が戻りました。
その時、病室の扉が開きました。
私は看護師さんが来てくれたのかと思い、扉の方に目を向けると
たくさんの人、子供から老人がぞろぞろと部屋へ入ってきます。
えっ?こんな時間に、どうして?
混乱する私のベットに向かってみんな歩いてきます。
私は身体を動かすことができません。
みんな、手に白い布切れをもっていて、それを私のベットに
かけていくのです。
何人も、何人も。。
助けて~~~
私は動かぬ身体を動かし、思い切り叫びました。
すると、また目の前がぐるぐると回りはじめ、私はようやく
目をはっきりと開けることができました。
全身、汗まみれでした。
枕元のナースコールを押して、着替えたいと伝えました。
本物の看護婦さんが着替えとタオルをもってきてくれ
介助してくれましたが、私は朝になるまで、目を閉じることができませんでした。
翌日、やってきた夫に告げると
「熱に魘されていたんだよ」
と、取り合ってくれませんでした。
熱も下がり、おかゆも食べられるようになり
お腹の子供の検査も終わったらあと2.3日で退院できるでしょうと言われたので
きっと、熱のせいだと思うことにしました。
しかし。。。その夜です。。。。
熱が下がっていました。
眠れなかったと言ったので睡眠薬も処方されたのでしょう。
最初は、すぐに眠りました。
が、ふと目が覚めて、
あれ、なんか変な感覚だなと思った瞬間
今度ははっきり意識がありましたが、目の前がまたぐるぐると回りだし
私はその渦の中に吸い込まれたのです。
でまた気が付くとベットに横たわっています。
また扉が開きました。
今度は全員、軍人です。
それも、外国人?
みんな、自分の来ているマントのようなものを
私の上にどさどさと乗せていきます。
濡れているのか、かなりの重量です。
それから、私の顔を覗き込むように顔を近づけます。
恐怖とそれからマントの重さで私はまた、絶叫しました。
ぐるぐるぐる。。目の前が渦を巻きます。
今度は明け方でした。
再び、汗びっしょりで看護師さんを呼びました。
翌日、夫に連絡しました。
病院に来るときに私のバックにあるお守りをもってきてと。。。
残り一晩、私はそのお守りを握りしめ
強めの睡眠薬を処方してもらい、なんとか過ごしました。
その病院は、都内でも古い方の国立病院で、戦後一時期
GHQが使っていたそうです。
今は、新しく近代的な病院になっていますが、前を通るたびに
あの時の光景が思い出されて、私はあの時、何を見たのだろうと考えてしまいます。
後日談:
- この病院は今では小児医療の日本の中心となっている病院です。けれど、入り口に植えてある木は当時からそのまま、その場所にあり、霊感の強い人には、木の周り、木の上にもたくさんの人、大人、子供、軍人が見えるそうです。だから、あまり近寄らないようにしています。
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