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長編

匿名 3日前
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は、私を見るなり目に涙を溜めて手を握って言った。 「遅くなってごめんね。迎えにきたよ」 何を言っているんだろう、と思った。 母親が借金でもしてたのかな、この人にどこかに売られるのかな、また何かを気にしなきゃいけないのかな、と久々に思考が働いた気がした。 職員さんは、「長い間大変だったね。あなたはもう大人と言われる年齢になったけど、どんな人だって心を癒さなければいけない時がある。あなたが今まで頑張ってきた分、しっかりゆっくり休みない」と言った。 私はもう19歳になっていたし、そうか、とうとう退所しなければいけないのか、と思った。 どのみち全てどうでも良かったので、言われた通り期限内に荷物をまとめて、叔母を名乗る人が迎えにくる日をぼーっと待った。 その間、職員さんは私が住むことになる地域や叔母の話をしてくれていたが、全然頭に入ってこなかった。 当日、約束の時間より早くきた叔母は、私の顔を見るなりにっこりと笑った。 そして妹が描いてくれた似顔絵や折り紙を入れたバッグを見て、小さく「ありがとうね」と言った。 そのまま職員さんたちに挨拶をして、職場に向かい別れの挨拶をした。 職場の人たちは、良かったねぇと喜び、退職金きちんと払うからね!と肩をぽんぽんと叩いて泣きながら励ましてくれた。 恥ずかしい話、私は沢山の人たちに支えられ助けられてきたことを、そこで初めて自覚した。 離乳食の作り方を教えてくれた先生、施設を手配してくれた先生や職員さん、そして職場の人たち。 私はひたすら必死に生きてきただけだった。 今まで感謝を伝えたことがあっただろうかと情けなくなり、自分でも驚くくらい泣いた。 ありがとうございます。ごめんなさい。それを繰り返して泣きじゃくった。 叔母含め、みんなとても優しい顔をしていた。 叔母の家は、施設があるところから車で2時間ほど離れた場所にあった。 道中、どうコミュニケーションしたらいいのか分からずずっと黙っていたが、叔母は「あたし一人で喋ってるから気にしないで〜」と言い、これから向かう場所や特産品などの話をいっぱいしてくれた。 到着した家は、とても綺麗に海が見える、可愛い素敵な平屋だった。 妹によく読んであげた絵本に載っていた家に似ていて、不思議な気持ちになった。 叔母は、到着するなり私の手を引いて、部屋を案内してくれた。 ここが今日から私ちゃんのお部屋だよと見せてくれたのは、優しい色合いの

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  • 妹さんだったら本当に素敵すぎる話。。 こんないい話が読めるなんて泣
    おわ
  • まさかこのサイトで涙するとはw 実話でも架空の話でも主さんが幸せでありますように
    匿名
  • 切ないっていうボタンがあればそれを押したい
    匿名
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