
長編
妹
匿名 3日前
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家具が揃った綺麗な部屋だった。
嬉しかったけど、同時に色んな感情が湧いてきて複雑な気持ちになり、私は率直に叔母に聞いた。
なぜ今になって迎えにきたのか、私に何かを期待してもきっと無駄になる、私が役に立つことは何もないと。
叔母はしっかりと私の顔を見据えて、「今は何を言ってもあたしのことは信用できないと思う。それは当然だし、私ちゃんの反応はごもっとも。だけどこれからは信頼される存在になれるように努力するし、何より私ちゃんと家族になりたいの。」と言った。
とても真剣な表情で、ずっしりとお腹に響くような言葉だった。
私は勉強も苦手だし、器用に何でもできるわけじゃないけど、叔母さんの恥にならないように頑張ります、と応えた。
叔母さんは、そんな固い事言わなくていいんだよ〜とまたにっこり笑っていた。
なんとなく、笑顔が妹に似ている気がした。
それからしばらくは家でゆっくり過ごして、街や地域の案内をしてもらい、仕事を探した。
叔母は急がなくていいよと言ってくれたけど、付近の地図を覚える為にも色々と行動したくて、中古の自転車を購入して走り回った。
買い物をするお店や駅、自分が働けるような場所を探して、叔母に山ほど相談した。
いつも親身に話を聞いてくれる叔母は、しっかりとサポートをしてくれた。
そして引っ越してから4ヶ月後、コンビニでバイトをする事が決まった。
買って貰った携帯で仕事決まったよと叔母に報告すると、きゃー!良かったねー!ともの凄く喜んでくれた。
その日、仕事から帰ってきた叔母は、いつもよりニコニコと笑いながらじゃーん!とケーキの箱を渡してくれた。
開けると、あの日妹に食べさせてあげられなかった、あのキャラクターケーキが入っていた。
切らないでこのまま食べちゃおう!と言って、大きなスプーンを渡してくれた。
叔母と大きな口でケーキを頬張りながら、美味しいね、とっても甘いねと言って食べた。
食べてる間、二人でポロポロ涙を流した。
この4ヶ月、叔母を見てて思ったことがいっぱいあった。
一緒に健康センターに行った時に見た、右耳の後ろとお尻の両頬にある、左右対象のホクロ。
お臍のすぐ下にある独特なくぼみ。
それは全て妹にある特徴的な個性だった。
私はまた、叔母に率直に聞いた。
笑われるかもしれないし頭がおかしいと思われるかもしれないけど、叔母さんは妹なんじゃないのか、と。
もちろん名前は全然違うけど、笑った時の
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chat_bubble コメント(3件)
- 妹さんだったら本当に素敵すぎる話。。 こんないい話が読めるなんて泣おわ
- まさかこのサイトで涙するとはw 実話でも架空の話でも主さんが幸せでありますように匿名
- 切ないっていうボタンがあればそれを押したい匿名