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長編

匿名 3日前
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事が決まった。 児童養護施設に入所することも決まり、少し気持ちが楽になった。 仕事が始まってから毎日、自分なりに精一杯働いた。 初めて給料が出た時は、約束通り妹の好きなケーキをたくさん買って帰った。 妹は凄く喜んで、苺のショートケーキとレアチーズケーキ、生チョコケーキをいっぺんに平らげた。 ありがとうお姉ちゃん!とニコニコと笑う顔を見て、もっと頑張ろうと思えた。 もう私には妹しか生き甲斐がなかった。 妹の役に立ちたくて、ほつれた服の裾を縫ったり、手作りのお菓子を作ったりと自分なりに努力した。 ただ、私はしっかり勉強してきたわけではないし頭も良くないので、宿題を見てあげる時はうまく教えられない事が多く、何度もごめんね、と謝った。 妹は、お姉ちゃんが教えてくれるだけで十分だよと言ってくれた。 そして妹は10歳になった日、忽然と姿を消してしまった。 誕生日にリクエストされていたキャラクターケーキを買って、美味しそうにケーキを頬張る妹の姿を想像しながら帰った私を出迎えたのは、青い顔をした施設の職員さんだった。 いつものように学校から帰ってきた妹は、お姉ちゃんに手紙を書くと言って子供たちが集まって遊ぶ共同スペースで絵と手紙を描いていたそうだ。 その姿を最後に、誰も目撃していないとのことだった。 もちろん職員総出で探し回り、警察にも協力してもらったが、結局見つからなかった。 妹が行きそうな場所、お気に入りの公園、どこを探しても妹の姿はなかった。 新聞にも載ったし、地域住民の人たちも協力してくれたが、徒労に終わった。 本来の主役を迎えられなかった誕生日ケーキは、施設の子供たちに振る舞った。 私はもう何もやる気が起きなかった。 何も考えられず、仕事も行かなくなってしまった。 初めて生きることが面倒に感じた。 そんな私を気遣って、職員さんたちは色々とコミュニケーションを取ろうとしてくれたけど、私の心は冷えていく一方だった。 職場では休職扱いにしてくれて、落ち着いたら顔見せてねと言ってくれた。 なのに、ありがとうございますという言葉が出てこなかった。 ただただ、本当に自分が空っぽになったようだった。 それから約一年後、私の叔母を名乗る30代くらいの女性が施設にやってきた。 職員さん曰く、私の母親の妹だと。 絶縁したと聞いていたので少し驚いたが、母親の行方でも追っているのだろうかと薄ぼけた意識の中で考えていた。 叔母

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  • 妹さんだったら本当に素敵すぎる話。。 こんないい話が読めるなんて泣
    おわ
  • まさかこのサイトで涙するとはw 実話でも架空の話でも主さんが幸せでありますように
    匿名
  • 切ないっていうボタンがあればそれを押したい
    匿名
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