
中編
くねくね
匿名 6日前
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見る勇気が無い。
しかし気になる。
遠くから見たら、ただ白い物体が奇妙にくねくねと動いているだけだ。
少し奇妙だが、それ以上の恐怖感は起こらない。
しかし、兄は…。よし、見るしかない。
どんな物が兄に恐怖を与えたのか、自分の目で確かめてやる!
少年は、落ちてる双眼鏡を取って覗こうとした。
その時、祖父がすごいあせった様子でこっちに走ってきた。
少年が『どうしたの?』と尋ねる前に、すごい勢いで祖父が、
『あの白い物体を見てはならん!見たのか!お前、その双眼鏡で見たのか!』
と迫ってきた。『いや…まだ…』と少しキョドった感じで答えたら、祖父は『よかった…』
と言い、安心した様子でその場に泣き崩れた。少年は、わけの分からないまま、家に戻された。
帰ると、みんな泣いている。「僕の事で?」いや、違う。
よく見ると、兄だけ狂ったように笑いながら、まるであの白い物体のようにくねくね、くねくねと乱舞している。
その兄の姿に、あの白い物体よりもすごい恐怖感を覚えた。
そして家に帰る日、祖母がこう言った。
『兄はここに置いといた方が暮らしやすいだろう。あっちだと、狭いし、世間の事を考えたら数日も持たん…うちに置いといて、何年か経ってから、田んぼに放してやるのが一番だ…。』
少年はその言葉を聞き、大声で泣き叫んだ。
以前の兄の姿は、もう、無い。また来年実家に行った時に会ったとしても、それはもう兄ではない。
何でこんな事に…ついこの前まで仲良く遊んでたのに、何で…。
必死に涙を拭い、車に乗って、実家を離れた。
祖父たちが手を振ってる中で、変わり果てた兄が、一瞬、こちらに手を振ったように見えた。
遠ざかってゆく中、兄の表情を見ようと、双眼鏡で覗いたら、兄は確かに泣いていた。
表情は笑っていたが、今まで兄が一度も見せなかったような、最初で最後の悲しい笑顔だった。
そして、すぐ曲がり角を曲がったときにもう兄の姿は見えなくなったが、涙を流しながらずっと双眼鏡を覗き続けた。
『いつか…元に戻るよね…』そう思って、兄の元の姿を懐かしみながら、緑が一面に広がる田んぼを見晴らしていた。
そして、兄との思い出を回想しながら、ただ双眼鏡を覗いていた。
…その時だった。
見てはいけないと分かっている物を、間近で見てしまったのだ
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chat_bubble コメント(4件)
- ね。くねくね ってこうゆうトコでは、もぅ たぶん有名だょね。 今更感はある。 でも、話の終り方 不自然だね 笑K
- 何回も この話し読んでますまい
- くねくねとは?ドナルドダック
- 怖い!そんで、続きが気になる〜…‼︎(´・Д・)」