
春の温かい日、姉は妹からの電話を受けた。
「姉ちゃん、さっき目の前をバイクが通り過ぎたよ。ナンバーが同じだった。」
信じられない。私のバイクは自宅にあるはずだ。
「そんなことあるわけないだろ、私のバイクはここにいるよ。」
しかし、妹は言った。「本当に同じナンバーだった。321だったよ。」
心臓が凍りついた。私のバイクのナンバーも321だ。
一瞬、ドッペルゲンガーのようなものを考えたが、バイクでのそれは聞いたことがない。
「盗まれたのか?」と頭を過ったが、夫に伝えて急いで帰ると、私のバイクは無事に駐車場にあった。
妹の見間違いだと片付けたが、数日後、また妹から連絡が入った。
「田舎の道の駅で同じナンバーのバイクを見た!」
ゾッとした。もしかしたら、ひらがなの部分を確認していなかったかもしれない。
「それで、どんな文字だった?」と聞くと、妹は言った。「『る』だった。」
私のバイクは『さ』なのだ。
ホッとしたが、同じバイク、同じ色、同じナンバーが同じ地域に存在する確率はどれほどだろうか。
バイク屋に訪ねると、「珍しいが、場合によってはあり得る」とのことだった。
数ヶ月後、ついに私もそのバイクを道の駅で目撃した。
確かに同じナンバーだった。
内装も私のバイクと同じで、無駄な飾りもない。
乗っている人を確認したかったが、その時は急いでいたので諦めて帰った。
数ヶ月後、姪がそのバイクを目撃したと言った。
ちょうど道の駅から出てくるところで、私に似ている人が乗っていたと。
同じバイク、同じナンバー、同じ姿。
こんな偶然があるのだろうか。
恐怖を感じ、思い切ってバイクを買い替えた。
それ以来、同じバイクを見かけることはなかった。
だが、あの時の恐怖は忘れられない。
「ひょっとして、私の影がどこかを彷徨っているのかもしれない。」
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