
突然だが、俺には特殊な趣味がある。
それは夜中に散歩することだ。多分、俺以外にこんな趣味を持つ人はいないだろう。
少なくとも周りにはいない。
この話は、そんな夜中の散歩で体験した出来事だ。
その日、いつも通り近所を歩いていたが、なんとなく今日はもっと遠くへ行ってみようと思った。
普段通らない裏道へ進むと、見慣れない景色が新鮮で、少しワクワクした。
そんな気持ちで歩いていると、突然後ろから、
「おーーーい」と声が聞こえた。
驚いて振り返ると、数十メートル離れたところに、誰かが手を振っている。
「おーーーい」
また声がする。
(まさか、俺を呼んでいるのか?)
周りには誰もいない。
間違いなく、俺に向かって呼びかけている。
「おーーーい」
再び呼ばれる。
(これは危ないやつだ…)
そう思い、逃げようとした瞬間、
「見つけたァアア!!」
その男は急に全速力でこちらに向かってきた。
「うわあああああ!」
俺は叫びながら全力で逃げ出した。
とにかく、必死に走り続けた。
数分後、古びた団地の近くにあるコンビニが目に入った。
慌てて駆け込むと、店員が驚いた顔で俺を見つめていたが、そんなことに構っている余裕はなかった。
一旦落ち着こうとトイレに向かい、個室に入り鍵をかけ、便座に座り込んだ。
(あの男は一体何者だったんだ…なぜ俺を…)
考えても答えが出ない思考が頭の中で渦巻く。
ようやく心を落ち着けた俺は、何か飲み物でも買って、しばらくイートインコーナーで時間を潰そうとトイレから出ようとした。
ガチャ
ドアを開けた瞬間、目の前にその男が立っていた。
恐怖で動けずにいると、男はニヤニヤしながら言った。
「見つけたァアア」
その瞬間、俺の心に冷たい恐怖が広がった。
何もできないまま、男の目がじりじりと迫ってくる。
後日談:
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