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短編

カップラーメンの時間

匿名 4日前
怖い 566
怖くない 606
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路上で死にかけのネズミがもがいていた。 ドクドクと心臓の鼓動に合わせて、全身が痙攣しているようだった。 後は死を待つだけであることは明白だった。 カップラーメンが出来るほどの時間眺めていると、動きが止まった。 しかし、またすぐに震えは再開された。 こうしてネズミがのたうち回る最中も、人々は通り過ぎていく。 いっそひと思いに殺してやろうか、という考えが芽生えた。 足を振り下ろせば、この小さな生き物など即死だ。 けれども、通行人から見れば残酷に映ることだろう。 事情の内にいるのは、私とこのネズミだけだからだ。 「何かあるんかね?」 後ろから、しわがれた声が聞こえた。 振りかえると、背中の曲がった老人が寄ってきていた。 「別に何もありませんよ」 じゃあ、なんでさっきから地面を見つめているのかね? と老人はさらに質問を続けた。 億劫になって、会話を中断するための言葉を探ったが出てこなかった。 「可哀想じゃね」 振り向くと、老人はもがくネズミを見下ろしていた。 そうですね、と私は言った。 ふと頭に冷たさを覚えて、指で触れると水滴だった。 見上げると、滴が目に入る。雨だった。 「こんなとこにおったら、風邪を引く……」 言い切らないうちに、老人は去っていった。 ネズミに視線を戻すと、目元に落ちた雨の滴が、涙のように糸を引いていた。 しかし、ネズミは既に事切れていた。 さて、ペットのエサを持って帰るとしよう。  

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  • 主人公チー牛みたいなやつなんやろなぁ
    匿名
  • うーん
    じゅん
  • 怖面白い
    まゆ
  • おばあさんって幽霊?
    結梅
  • 怖い?恐い? 読み易く、きれいな文体ですね。 ぜひ中長編も頑張って下さい。
    kayaro
  • タイトルも良いし、いい短編だなぁと思いました。映像向けではないけど読み物として良かったなぁ。
    4度
  • 今日は特に冷えるね
  • これさ、イオンあたりで買ったダサいトレーナー着たニキビ面の中坊が主人公なんだろうな。
  • ネズミの死骸眺めてる暇人が「別に何もありませんよ」・・・本っ当に何もないんだろうな。
  • 面白いの見つけたよ〜遊ぼ^o^
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