
ついに、私がターゲットになってしまった。
高校生活を送る中で、私はいつも周囲に気を使い、目立たないように振る舞ってきた。
友達に嫌われないように、話題を合わせ、趣味も流行に乗ったものを選んできた。
そのおかげで、これまでの私は、常に中立の立場で、いじめの加害者にも被害者にもならずに済んでいた。
しかし、教室に入った瞬間、誰も私に目を向けなかった。
何が起こったのか、全く分からない。
最近、私と親しかったクラスメートが突然転校してしまったからかもしれない。
私は席についても、静寂に包まれた教室で孤独を感じていた。
スマートフォンの振動もなく、ただ時間が過ぎていく。
そんな時、担任の先生が入ってきて話し始めた。
あれ?
――診断は、突発的な耳鳴りだった。
数日の入院の後、聴力は戻ったが、まさか私が友達の呼びかけを無視していたなんて。
スマートフォンを手に取る。
受信したメッセージは、いつの間にか19件も溜まっていた。
全て、あの日の日付だ。
『どうしたの? 元気ない?』
そんな内容から始まり、
『それなら、もういいや』
というメッセージまでが続いていた。
私は知っている。
こういう流れは何度も見てきた。
一度無視されれば、どんな理由があっても、謝ることはないのだ。
教室は、いじめの静かな空白状態に突入していた。
退院した初日、私は緊張で胃が痛んでいた。
通学路のざわめきが耳に響く。
思い返せば、あの日は朝から静まり返っていた。
校門をくぐり、上履きに履き替えて教室へ足を運ぶ。
「おはよう、退院おめでとう!」
思いがけず、みんなの声が聞こえた。
私は驚いた。
笑顔に囲まれ、安堵感が広がる。
その時、ふと、教室の片隅に一人孤立している子が目に入った。
「あの子、どうしたの?」
「無視しちゃっていいよ。」
「そうそう、あなたが入院していた時、『どうせ無視されるなら、やり返してやる』って言ってたのよ。」
「耳が聞こえないなんて信じられない!」
ああ、次のターゲットが決まっていたんだ。
私は安堵から涙を流しながら、何か言い返そうと考えた。
いや、被害者の方が得だ。
ちょうど涙も出ているし。
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