本当にあった怖い話

怖い話の投稿サイト。自由に投稿やコメントができます。

新着 中編
完璧な循環
完璧な循環
新着 中編

完璧な循環

20時間前
怖い 0
怖くない 0
chat_bubble 0
14 views

私には、最近ひとつの特技があります。

当たるのです。

何が、というと、悪いことがです。

朝、家を出るときにふと嫌な予感がすると、その日は必ず何か起きます。電車の遅延、上司の機嫌、体調不良。小さなことですが、ほとんど外れません。

最初は偶然だと思っていました。けれど回数が増えるにつれて、私は気づきました。

私は兆しを読めるのだと。

例えば、部屋の時計が一瞬だけカチ、と強く鳴ったとき。

例えば、コンビニの店員が視線を合わせなかったとき。

例えば、ニュースのアナウンサーが不自然に瞬きをしたとき。

その日のどこかで、必ず良くないことが起きます。

私は記録をつけ始めました。手帳に、違和感を書き留めます。

《時計の音が大きい》

《隣人が挨拶しない》

《空が妙に白い》

そして夜、結果を書き込みます。

《取引先からクレーム》

《頭痛》

《財布を落とす》

驚くほど、符合していました。

私は自分の直感に従うようになりました。嫌な予感がする日は、外出を控えます。メールも慎重に書きます。電話も取らないことがあります。

そうすると、大きな失敗は減りました。

やはり、私は読めているのです。

ある日、妻が言いました。

「最近、なんでも悪いほうに結びつけてない?」

私は笑いました。数字で示せるのです。手帳を見せました。ほら、こんなに当たっている。

妻はページをめくりながら言いました。

「当たらなかった日は?」

その質問の意味が、すぐには分かりませんでした。

当たらなかった日?

私は手帳を見返します。違和感を書いた日しか、印がありません。何も起きなかった日は、記録していませんでした。

「それは、兆しが弱かっただけだよ」

そう答えました。

その夜、ふと気づきました。最近、良いことが起きても嬉しくないのです。

昇進の話が出ました。

昔なら飛び上がって喜んだはずです。

でも私は、まず考えました。

その前触れは何だったか。

思い当たらない。

つまり、見落としている。

私は急いで過去のページをめくります。どこかに兆しがあったはずです。時計の音。空の色。誰かの視線。

見つからない。

見つからないのに、決まってしまった。

嫌な予感がします。

兆しのない幸運は、危険です。

きっと後で、大きな帳尻合わせが来る。

私は昇進を断りました。

周囲は驚きました。妻は怒りました。

「何も起きてないのに」

何も起きていない、という言葉が怖いのです。

起きていないのではありません。

まだ見えていないだけです。

最近は、違和感が増えました。

誰かが咳をする。

1 / 2

後日談:

後日談はまだありません。

アバター 002_012

幽霊より人間が怖いタイプです。

投稿数 43
怖い評価 355
閲覧数 26k

この怖い話はどうでしたか?

f X LINE

chat_bubble コメント(0件)

コメントはまだありません。

0/500

利用規約をよく読んで、同意の上でコメントしてください。

・連続コメントは禁止しておりますが、新規登録・ログインすることで、連続コメントも可能となります。

お客様の端末情報

IP:::ffff:172.30.1.135

端末:Mozilla/5.0 AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko; compatible; ClaudeBot/1.0; +claudebot@anthropic.com)

※ 不適切な投稿の抑止・対応のために記録される場合があります。

label 話題のタグ

search

【参加型】投稿企画・タイアップ企画

  • 心霊スポット
  • 意味怖
  • 禍禍女

一息で読める短い怪談

読み込み中...

じっくり染み込む中編怪談

読み込み中...

深夜に読むと戻れなくなる長編怪談

読み込み中...