
短編
◇黒い水の中に沈んでいく少女◇
匿名 2日前
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「黒い水の中に沈んでいくのを眺めていたの・・・。」
母は同級生(少女)の死を語ることがあった。
小学校低学年だった。
髪の長い明るい子でよく学校におばあちゃんと手をつないできていた。
その子が川に流されて沈んでいくのを母は眺めていたらしい。
「夢の中の水はいつも真っ黒であの子はじっと私を見ているの。
きっと助けてほしかったんだと思う。
でも、私は助けなかった。ただ、見ていた。
沈んでいくのを。」
どこまでが本当なのかわからない。
母には虚言癖があるから。
でも、毎回話す母の表情は苦しそうだった。
「もう、あの夢みたくないのよ
。」
そう言っても定期的に見ては幼い私に話した。
勿論、幼い私にはどうすることもできない。
ただ、聞いて頷くだけだった。
急にさっき思い出した母の夢。
今でも見ているのだろうか?
黒い水に沈んでいく少女の夢を・・・。
了
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- 意味不ゆきまる
- ?それで?環七