かわ
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2018年10月から利用
- 神の石
本家に伝わる実話です。 我が家は昭和初期に、曾祖父が本家から土地を分けてもらい分家して興した家です。 本家は少なくとも江戸時代から農業を生業として生計をたてておりました。 本家の敷地の庭の一角に祠があります。 その祠の中にそれ程大きくない石が祀られています。 その石のいわれはこうです。...
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321chat_bubble 37.4k views3週間前 - 視線
マサコは一人暮らしだ。 彼女には気になることがあった。 入浴中、いつも誰かが彼女を見ている気配を感じることだ。 髪を洗い、目をつむっているとき、 何者かが彼女を見ているようなそんな気配を感じていた。 今日はえらく水の流れが悪い。 マサコは排水口に手を差し込んだ。 奥の方に何かが詰...
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327chat_bubble 04.1k views2週間前 - ある雨の夜
ある雨の夜だった。 千代乃は夫の帰りを待ちながら婦人の友を読んでいた。時刻は夜十時を回っている。 『ふで。お茶をお願い』 女中のふでを呼ぶが返事がない。 『おふで?』 千代乃は少し大きな声で女中のふでを呼んだ。 『はいはい。奥様。申し訳ありません。雨音がひどくて。ただいまお茶をお持...
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421chat_bubble 210k views2週間前 - 祖母の弟
これは祖母から聞いた話です。 時代は戦後すぐのこと。 祖母は当時、女学校に通っていました。祖母には七才離れた弟がおり、弟は当時小学生でした。 その日、学校が終わって友達と遊びに行っていた弟は、日が暮れても家に帰ってきませんでした。 田舎の山村のことであり、家族の者もあまり気にはしませんで...
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315chat_bubble 04.6k views1日前 - 神隠し
明治二十年代―― 十才になるコマツは尋常小学校から家への道を急いでいた。 今日は母のトキに家の手伝いを頼まれていたのだ。 途中、同級生の女の子たちと別れ田んぼのあぜ道を急いで家に向かっていた。 十一月の空は鉛色の鈍い色をしており今にも雨が降りそうな天気であった。 コマツの家は農家で、コマツ...
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359chat_bubble 24.9k views2週間前