
長編 emoji_events 殿堂入り
リアル 後編
しずく 2016年7月20日
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のが憚れるほど広くて立派だったが)で本山の方々にご挨拶。
ここでもS先生にはかなりの低姿勢だったな。
S先生、実は凄い人らしく、望めばかなりの地位(「寂しいけど序列ができちゃうのね」ってS先生は言ってた)にいても不思議じゃないんだって後から聞いた。
俺は本山に暫く厄介になり、まぁ客人扱いではあったけど皆さんと同じような生活をした。
多分、S先生の言葉添えがあったからだろうな。
その中で、自分が本当に幸運なんだなって実感したよ。
もう四十年間ずっと蛇の怨霊に苦しめられている女性や、家族親族まで祟りで没落してしまって身寄りが無くなってしまったけど家系を辿れば立派な士族の末裔の人とか…
俺なんかよりよっぽど辛い思いしてる人がこんなにいるなんて知らなかったから…。
厳しい生活の中にいたからなのか、場所がそうだからなのか、あるいはS先生の話があったからなのか恐怖は大分薄れた。
(とは言うものの、ふと瞬間にアイツがそばに来てる気がしてかなり怯えたけど)
本山に預けてもらって一ヶ月経った頃S先生がいらっしゃった。
S先生「あらあら、随分良くなったみたいね」
俺「えぇ、S先生のおかげですね」
S先生「あれから見えたりした?」
俺「いや…一回も。多分成仏したかどっかにいったんじゃないですか?ここ、本山だし」
S先生「そんな事ないわよ?」
顔がひきつった。
S先生「あら、ごめんなさい。また怖くなっちゃうわよね」
「でもねTちゃん、ここには沢山の苦しんでる人がいるの。その人達を少しでも多く助けてあげるのが私達の仕事なのよ」
多分だけどS先生の言葉にはアイツも含まれてたんだと思う。
「Tちゃん、もう少しここにいて勉強しなさい。折角なんだから」
俺はS先生の言葉に従った。あの時の事がまだまだ尾を引いていて、まだここにいたいって思ってたからね。
それに一日はあっという間なんだけど…
何て言うか時間がゆっくり流れてような感じが好きだったな。(何か矛盾してるけどね)
そんなこんなが続いて、結局三ヶ月も居座ってしまった。
その間S先生は(二ヶ月前に来たきり)こっちには顔を出さなかった。
やっぱりS先生の言葉がないと不安だからね。
でも、哀しいかな流石に三ヶ月もそれまで自分がいた騒々しい世界から隔離去れると物足りない気持ちが強くなってた。
実に二ヶ月ぶりにS先生がやって来てやっと本山での生活は
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- これ1番好き匿名人間
- これ1番好き匿名人間
- これ1番好き匿名人間
- 最後の方怒涛の展開すぎてガチおもろ名無しさん
- コイツ糞弱かったなアリンコより弱かった俺の中にいるモノ
- 悪霊にはワクチン行き渡ってるで。ものもらい相続税
- こぉ言う悪霊にこそコロナウイルスに取り憑いて貰いたいものですなぁ(笑)殺したい
- 「アイツ」の正体ってなんだったのだろう。誰かの嫁さん?ゆーへー
- 物語としてちゃんと練られてるのがとてもよいなぁ。最後の告白を読むと、何でTが○○を責める記述が多いのか、なぜその後の話でも○○の登場頻度が高いのかがわかる。も
- 良くあるコピペですね。環七