
長編 emoji_events 殿堂入り
リアル 後編
しずく 2016年7月20日
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んじゃないかしら」
「でもね、Tちゃんはあの人と比べると全然弱いのね。だから、近くに居るだけでも怖くなっちゃって体が反応しちゃうのね」
S先生は、まるで子供に話すようにゆっくりと、難しい言葉を使わないように話してくれた。
俺はどうすればいいのか分からなくなったよ。
アイツは絶対に悪霊とかタチの悪いヤツだと決めつけてたから。
S先生にお祓いしてもらえばそれで終ると思ってたから…。
それなのにS先生がアイツを庇うように話してたから…。
S先生「さて、それじゃあ今度は何とかしないといけないわね。Tちゃん、時間かかりますけど何とかしてあげますからね」
この一言には本当に救われたよ。
あぁ、もういいんだ。終るんだって思った。やっと安心したんだ。
S先生に教えられたことを書きます。俺にとって一生忘れたくない言葉です。
「見た目が怖くても、自分が知らないものでも自分と同じように苦しんでると思いなさい。救いの手を差し伸べてくれるのを待っていると思いなさい」
S先生はお経をあげ始めた。お祓いのためじゃ無くアイツが成仏出来るように。
その晩、額は裂けてたしよくよく見れば首の痕が大きく破けて痛かったけど
本当にぐっすり眠れた。(お経終わってもキョドってた俺のために笑いながらその日は泊めてくれた)
翌日、朝早く起きたつもりがS先生はすでに朝のお祈りを終らしてた。
S先生「おはよう、Tちゃん。さ、顔洗って朝御飯食べてらっしゃい。食べ終わったら本山に向かいますからね」
関係者でも何でもないんであまり書くのはどうかと思うが少しだけ。
S先生が属している宗派は前にも書いた通り教科書に載るくらい歴史があって、信者の方も修行されてる方も日本全国にいらっしゃるのね。
教えは一緒なんだけど地理的な問題から東と西それぞれに本山があるんだって。
俺が連れていってもらったのが西の本山。本山に暫くお世話になって、自分が元々持っている徳(未だにどんなものか説明できないけど)を高める事と、アイツが少しでも早く成仏出来るように本山で供養してあげられるためってS先生は言ってた。
その話を聞いて一番喜んだのが祖母、まだ信じられなそうだったのが親父。
最後は俺が
「もう大丈夫。行ってくる」
って言ったから反対しなかったけど。
本山に着くと迎えの若い方が待っていて、S先生に丁寧に挨拶してた。
本堂の横奥にある小屋(小屋って呼ぶ
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- これ1番好き匿名人間
- これ1番好き匿名人間
- これ1番好き匿名人間
- 最後の方怒涛の展開すぎてガチおもろ名無しさん
- コイツ糞弱かったなアリンコより弱かった俺の中にいるモノ
- 悪霊にはワクチン行き渡ってるで。ものもらい相続税
- こぉ言う悪霊にこそコロナウイルスに取り憑いて貰いたいものですなぁ(笑)殺したい
- 「アイツ」の正体ってなんだったのだろう。誰かの嫁さん?ゆーへー
- 物語としてちゃんと練られてるのがとてもよいなぁ。最後の告白を読むと、何でTが○○を責める記述が多いのか、なぜその後の話でも○○の登場頻度が高いのかがわかる。も
- 良くあるコピペですね。環七