
仕事のストレスを忘れるため、冬の夜にドライブに出かけることにした。目的は特にないが、田舎の静かな道を走ることが、自分にとってのリフレッシュだった。
いつもより少し遠くまで行こうと、山の方に向かって車を走らせた。雪がちらつく中、街灯の少ない道を進むにつれ、周囲はどんどん人里離れていく。しばらくすると、道の脇に古びた公衆トイレが見えた。そのトイレは明かりがついており、何か惹かれるものがあった。
好奇心に駆られ、車を停めて中に入ってみることにした。ドアを開けると、冷たい空気が流れ込み、あまり清潔とは言えない内部が目に入った。壁の一角には古い自販機が設置されていた。何か不気味な雰囲気を感じながらも、自販機の中身を覗き込むと、奇妙な商品が並んでいるのが見えた。
自販機の横には「夜の特別商品」と書かれたシールが貼られており、興味をそそられた。どうせ誰も来ないだろうし、少しだけ買ってみようかと思い、財布から1000円札を取り出した。だが、その瞬間、外で何かの音が聞こえた。足音が近づいてくる。
慌てて自販機の陰に隠れた。心臓が高鳴り、冷や汗が背中を流れる。ドアが開く音がして、中年の男性が入ってきた。彼は何かを探しているようで、あたりをキョロキョロと見回している。暗い中で顔は見えなかったが、彼の服装が妙に奇抜なことに気づいた。まるでコスプレのような服装だった。
その瞬間、彼が自販機の前で立ち止まった。俺が隠れている場所からは、彼の表情は見えないが、何かを呟いているのが聞こえた。「今夜は誰が来るのか…?」と。俺は恐怖で動けず、ただその場に身を潜めた。彼が自販機を操作している間に、俺は静かに後ろに下がり、出口に向かおうとした。
だが、足が滑って転んでしまった。音に気づいた彼が振り向く。俺はそのまま動けずにいた。彼が近づいてくる。目が合うかと思ったその時、彼は急に何かを叫び、俺はそのまま逃げ出した。
車に戻り、恐怖で震えながらエンジンをかけ、自宅に向かった。帰ってからも、その公衆トイレのことが頭から離れなかった。あの自販機には何があったのか、そしてあの男は何を求めていたのか、気になって仕方がなかった。
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