本当にあった怖い話

大体今から15年程前、不思議な夢を見た。

私は真っ白で大きなエレベーターに乗っていた。

そのエレベーターの四隅には夫々人が立っていて、私はずっとエレベーターの階数を表示する所を見つめていた。

エレベーターは4階と13階(だったかな？)をずっと往復している。

何往復かしていて気付いたのは、4階は現世で13階はあの世と言う事。

4階から人が乗ってきて、13階で皆降りていく。

そんな往復の中、固まったみたいに私はずっと乗り続けていた。

ある時13階から一人の女の子が乗ってきた。

歳の頃で言うと中高生くらい。

女の子は身体のあちこちに釘が刺さってて明らかに“手遅れ”な感じだった。

女の子は私の後ろに回り込むと

「桜花ちゃん、私戻りたいの。一緒に連れて行って。」

と言って私の右手を握る。

握られた手は氷でも掴んでたのかと言うくらいに冷えていた。

それまでのんびり構えていたのだが

「これはヤバイ、何とか振りほどかないと…」

と思って身体を動かそうとするが一向に動く気配がない。

それでも右手に全身の力を込めて振りほどいた。

そこで目が覚めた。

目が覚めた後携帯の時計を見ると、深夜の3時頃だった。

跳ねる心臓を落ち着かせようと台所へ行きお茶を飲んでいた時、携帯が鳴る。

表示を見ると数ヶ月前に別れた彼氏。

通話ボタンを押し「どうしたの？」と尋ねると何だか訳の分からない事を喚いている。

宥めて話を聞くと

「今金縛りにあって天井に中学生くらいの女の子が浮いてた。全身釘まみれ。なんなんだアレ。」

と未だ興奮冷めやらぬ様子で話し出した。

直感的に

“あ、私の夢に出てきた子はその子だったか…夢から引き摺り出しちゃったかなぁ…”

と思ったがどうしようも無かったので

「明日お祓いに行ってみたらいいと思う」

とアドバイスをして暫く愚痴を聞いてから寝た。