
美術部に所属していた頃、僕には絵画の中に潜むものを感じ取ることができる先輩がいた。
ある冬の夜、部活が終わった後、集まった数人のメンバーで先輩にその力を試してもらうことにした。
僕の番が来た時、先輩は僕の傍にある絵画をじっと見つめ、「この絵からは特異な影が感じられる。特に右下から上に向かって伸びる形が強い」と言った。
しばらくしてから、先輩は驚愕の声を上げた。
何が起きたのか尋ねると、絵の中にある顔が、僕の顔をそのまま映していると言うのだ。ただし、目の下にほくろがあるとも言われた。
その時は何が起こったのか理解できず、ただ不気味な気持ちが胸に残った。
数週間後、同じ大学の別の学部に、先輩同様に絵の中の影が見えると噂される後輩がいることを知った。
興味が湧き、後輩のところへ行き、正直に影を見てもらいたいと頼むと、最初は「あなたの方がその才能が強いから見えない」と言われたが、僕は諦めずに頼み続けた。ついに後輩も折れて、僕の影を見てくれた。「この絵の中の影、非常に珍しい、特に右下から伸びる形があって、あなたの顔そのものです。目の下には濃いほくろがある」とほぼ先輩が言ったことを繰り返した。
この後輩は先輩と面識がなかったので、僕はその言葉を信じざるを得なかった。
それから10年ほどが経ったある冬、僕は美術館で出会った日本人の女性に声をかけられた。「あんた、前世で双子だったんだよ。生まれた時に一人が死んで、残った子が大人になって、あんたと同じ顔をしている。右目の下にほくろがある。」
その瞬間、学生時代の先輩が悲鳴を上げたことを思い出した。10年の時を経て、あの時の出来事がどのように繋がっていたのか、ようやく理解できた。彼女の言葉が示す恐ろしい真実、それは僕の中にずっと潜んでいた。アートの中に映る影は、過去の記憶とともに再び現れたのだ。僕はその影から逃れられない運命にあった。
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