
私が友人と共に訪れたのは、冬の凍えそうな夜のことだった。廃村の奥深くにある古い石碑が、村人たちの間で語り継がれている精霊の存在を思い起こさせた。私たちはその石碑の近くでキャンプを張り、周囲の静寂を楽しんでいた。
その時、友人がふと、「この村には、昔、精霊がいたって話を聞いたことある?」と言い出した。私たちは興味を持ち、石碑を調べることにした。すると、そこには「森の守り手」と刻まれていた。
夜が更け、私たちが焚き火の周りでおしゃべりをしていると、突然、周囲の空気が変わった。静寂の中から、微かにささやくような声が聞こえてきた。その声は私の名前を呼んでいるように思えた。驚いて顔を上げると、石碑の上に小さな影が立っていた。
それは、背が低く、葉っぱでできた服を身にまとった男の子の姿だった。彼は私を見て、にっこりと笑った。「ここに来てはいけないよ。危ないから。」と言ったが、その声には優しさがあった。
私は彼に、「どうしてそんなことがわかるの?君は誰なの?」と尋ねた。すると、彼は「私はこの森の精霊、森の守り手。君たちのことはずっと見守ってきた。」と答えた。友人は驚き、私は興奮したが、同時に不安も感じた。
「何か悪いことが起きるの?」と聞くと、彼は「この場所は危険で、ここに留まると命を落とすかもしれない。」と真剣な表情で言った。私はその言葉を信じ、友人に帰るよう促した。すると、その瞬間、空が轟音と共に揺れ動き、近くの木々が崩れ落ちた。
私たちは必死に逃げ出した。震える手で石碑を振り返ると、精霊はまだそこに立っていた。彼は私に向かって、手を振っていた。私たちはそのまま村を後にし、無事に自宅に帰った。
それから数日後、友人と私は、村の近くで起きた事故を聞いた。あの村の近くでキャンプをした数日後、何人かの若者が行方不明になったという。私たちは震え上がった。あの精霊の言葉を思い出し、我々が生き延びたのは彼のおかげだと実感した。
数年後、友人と再びその村を訪れた。石碑は朽ち果てていたが、私たちの心にはあの精霊の存在が深く刻まれていた。今でも、あの夜の出来事は忘れられない。あの精霊の言葉が、私の中に生き続けているからだ。
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