
中編
時の止まった家
ソラン 3日前
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よーん!」と応答があったのです。
凍りつきました。母も兄も私も一言も発す事が出来ませんでした。
無言で一斉に上がり込みました。
そこに、私が小学校に上がる前に見たことのある男性がいたのです。
ボサボサの髪に浴衣姿で。もしかして…
「〇〇さんですか?」
私は勇気を出して尋ねました。
「そうだよーん!」
そこにその方が現れました。
「連絡をしてくれないと困るんですよ!」
いつになく不機嫌な声でした。
その方は堂々と彼を奥の部屋に誘導し
「あがってください。外は暑かったでしょう?何か飲みますか?」
何事も無かったかの様に、いつもの声でそう言ってきたのです。
彼は行方不明になっていたはずの、その方の次男だったのにです。
その後、いつからか閉ざされた奥の部屋に入ってみると外から南京錠のかかった部屋がみつかったのです。
恐る恐る中を覗くと、床には人型の様なシミ、カビの生えた壁。
そうです。その方は精神疾患を患った息子を閉じ込めていたのです。
彼女の精神状態は、時を刻まない振り子時計のように、止まっていたのだ。
この時代に座敷牢を作ってしまうのですから。
ゾッとしましたね。
なぜなら私はその方の孫で、その息子は叔父だったのですから。
後日談:
- 実話なので、一部改変している事をご了承ください。
この怖い話はどうでしたか?
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- いるよーん!笑 笑えるけれど、その状況だと凍りました _:(´ཀ`」 ∠): コメントありがとうございます!語り部
- いるよーん!でワロタ匿名かりでかお