
短編
おはぎが好きな母親
匿名 2020年6月9日
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怖くない話。
今から17年ほど前に私の母はこの世を去った。
葬儀等を終えて落ち着いて仕事に勤しんでいたある日、当時の交際相手の母親から手作りのおはぎを貰った。
それをテーブルの上に置いて昼寝をしていたら、夢の中に母が出てきた。
母は椅子に腰掛け黙々とおはぎを食べていたのだが、スプーンを咥えて前歯の代わりにして食べている。
(母は歯を悪くしており、生前そのようなスタイルで固いものを食べる事がしばしばあった。)
“ああ…そう言えば母さんはおはぎが好きだったなぁ…”
そう思ってその光景を眺めている所で目が覚めた。
起きてからおはぎを食べたら、小豆が若干固めで夢の中の母の行動に納得が行った。
後日談:
- 後日、当時の交際相手から「母さんが小豆の茹で方間違ってさぁ…あんなの渡してごめん!」って話してたので「美味しかったよー」って伝えておいた。
この怖い話はどうでしたか?