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長編

姦姦蛇螺(かんかんだら)

匿名 2022年4月21日
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の時、オレとBの視線はそこになかった。 がたがたと震え、体中から汗が噴き出し、声を出せなくなった。 それに気付いたAも、柵の上からオレ達が見ている方向を見た。 山への方角にずらっと続く柵を伝った先、しかもこっち側にあいつが張りついていた。 顔だけかと思ったそれは、裸で上半身のみ、右腕左腕が三本ずつあった。 それらで器用に綱と有刺鉄線を掴んで、い~っと口を開けたまま、巣を渡る蜘蛛のようにこちらへ向かってきていた。 とてつもない恐怖。 「うわぁぁぁぁ!!」 Aがとっさに上から飛び降り、オレとBに倒れこんできた。 それではっとしたオレ達は、すぐにAを起こし、一気に入り口へ走った。 後ろは見れない。前だけを見据え、ひたすら必死で走った。 全力で走れば三十分もかからないだろうに、何時間も走ったような気分だった。 入り口が見えてくると、何やら人影も見えた。 おい、まさか…三人とも急停止し、息を呑んで人影を確認した。 誰だかわからないが、何人かが集まってる。あいつじゃない。 そう確認できた途端に再び走りだし、その人達の中に飛び込んだ。 「おい!出てきたぞ!」 「まさか…本当にあの柵の先に行ってたのか!?」 「おーい!急いで奥さんに知らせろ!」 集まっていた人達はざわざわとした様子で、オレ達に駆け寄ってきた。 何て話しかけられたかすぐにはわからないぐらい、三人とも頭が真っ白で放心状態だった。 そのままオレ達は車に乗せられ、すでに三時をまわっていたにも関わらず、行事の時とかに使われる集会所に連れてかれた。 中に入ると、うちは母親と姉貴が、Aは親父、Bはお母さんが来ていた。 Bのお母さんはともかく、ろくに会話した事すらなかったうちの母親まで泣いてて、Aもこの時の親父の表情は、普段見た事ないようなもんだったらしい。 B母「みんな無事だったんだね…!よかった…!」 Bのお母さんとは違い、オレは母親に殴られAも親父に殴られた。だが、今まで聞いた事ない暖かい言葉をかけられた。 しばらくそれぞれが家族と接したところで、Bのお母さんが話した。 B母「ごめんなさい。今回の事はうちの主人、ひいては私の責任です。本当に申し訳ありませんでした…!本当に…」 と、何度も頭を下げた。 よその家とはいえ、子供の前で親がそんな姿をさらしているのは、やっぱり嫌な気分だった。 A父「もういいだろう奥さん。こうしてみんな無事だったんだから」

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