
冬の夜、友人に勧められたオンラインゲームで遊んでいた。これは海外のプレイヤーとランダムにチームを組むことができるゲームだった。大学生の私は、英語を使う練習としてこのゲームを楽しむことにした。日本人プレイヤーは少なく、外国人と遊ぶことが新鮮だった。
ゲームを進めるうちに、特有のスラングに慣れていった。例えば、ゲームが始まる前に「GLHF」と打つのが一般的で、これは「Good Luck, Have Fun」の略だった。これを使うことで、仲間に対する親しみを示すことができた。
ある日のこと、ゲームに接続すると、すぐにチャットが流れた。
チャット接続完了
相手(B)「GLHF」
−−これで始まる、楽しいゲームが待っている。
俺「GLHF」
B「You’re from Japan?」
俺「Yeah! What about you?」
B「I’m from America. My name is Jake.」
俺「Nice to meet you, Jake!」
B「How old are you?」
俺「20歳です。」
B「Oh, college student?」
俺「そうです。」
B「どこの大学?」
−−その瞬間、背筋が凍った。
無意識にゲームを終了させ、画面を閉じた。
しばらくは冷や汗が止まらなかった。地元の大学名を知られてしまうという恐怖は、当時の私には耐えがたいものだった。今思うと、ただの偶然だったのかもしれないが、あの瞬間の不安感は今でも鮮明に記憶に残っている。
それ以来、あのゲームには二度とログインしなかった。何かが、私の知らないところで繋がっている気がしてならなかった。
この体験がきっかけで、オンラインの世界には思わぬ危険が潜んでいると痛感したのだ。相手が誰であれ、そこには見えない壁があることを忘れてはいけない。
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