
長編
廃墟にいた少女
匿名 3日前
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まで色んな所に電話かけまくって、やっと親御さんの連絡先に辿り着いたそうです)
親御さんに電話するなり、
「えっ、うちの娘は、◯◯さん(←私です)と言う方と一緒ですよ〜」と言われて、拍子抜けしていたそうで、
「その◯◯ってヤツの連絡先教えて下さい」
「あっ、聞いてませんでした」
の様なやりとりが有ったらしく、その少女に警察が電話しようとした、正にその時に少女の方から友人に電話があったそうです。
私も軽く事情聴取され、親御さんと話がついているのなら、少女の送り届けるのを頼むと言われ、何だかんだで警察署を出たのは夜の9時を回ってました。
友達2人は親御さんの迎えが来るとの事だったので、友達とはそこで分かれて、私は少女と2人で帰る事に。
少女の親御さんに
「お腹を空かしてるので、途中で何か食べて帰っても良いですか?」と訪ね、途中のお食事処で食事を済ませてからは、少女は疲れたのか、盛岡に着くまで寝てました。
予め親御さんと決めた待ち合わせ場所(旧アイスアリーナ)に着くと、ご両親が車で迎えに来てまして、お父様は少々おかんむりでしたが、
私が
「友達を想ってやった行動ですので、決して怒らないで下さい」と再度根を押すと、お父様は複雑な顔をしてました。
そこから、何故かお互いの高校生だった時の話になり、結局『高校生最後の夏休みだから、大目に見てやるか』という事になり、何故か和やかな雰囲気に。
お父様が、寝ている少女を起こし、少女は起きるなり父親に怒られると思ったのか身構えてましたが、父親が思いもよらず優しかったので、それを訝しげそうに見てました。
別れ際、娘を無事に送り届けてくれた報酬として、お母様から飴玉一個を貰い、各々帰路に着きました。
後になって思ったのですが。
私はこの時、とんでもない過ちを犯してました。
もう気づいてる方もおられると思いますが、そうです、この少女の連絡先を聞いてなかったんです。
名前も、住所も、学校も、この少女に繋がる情報を何一つ聞いてませんでした。
唯一、親御さんの車がマツダのMPVだったって事ぐらいで、この少女と再会する術は有りませんでした。
こうして、私のひと時の片思いは片思いの内に幕を閉じ、一生に一度会えるか会えないかと見まごうまでの美人さんとの出会いは、遠く思い出の砂塵へと埋もれていったのでした。
その後、同じ色のマツダのMPVを見る度に、中に乗ってる人を凝視していたのは言
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- 単に彼女の情報を何にも聞き出せなかったから次の接点を持つ事が不可能になって悲しいって事でしょ。って書いてあるし。それとも俺の論点がズレてるのか? まあ何にせよ一瞬でも驚く場面は無く、単に良いお話し。ホラー要素皆無。いや、でも楽しかったよw麟太郎
- 少女が直接連絡をしてるので、赤の他人の可能性は極めて低いですが。 まぁ、ピックアップの合流地点に、少女が赤の他人を呼び寄せてたら話は別ですね。塩麹
- 親御さんかもしれないと思ったのが赤の他人の悪い人の可能性もあるということ?1