
中編
お化け屋敷
じやい 2018年8月27日
chat_bubble 2
10,211 views
24歳の誕生日の時に経験した話です。
私は7月生まれなのですが、その日はとても暑い日でした。
職場の友人5人が、都内Oで誕生会をしてくれました。その後、テーマパークへ移動し疲れるぐらいにはしゃぎ、遊び疲れたので一休みした時
友人A「夏だしお化け屋敷に行かない。」
みんなに提案しました。
女の子も居たのですが、みんな大賛成で都内のDにある、お化け屋敷に行きました。
お化け屋敷のテーマは「鏡」でした。
物語内容は、双子の女の子が主人公の内容だったと思います。
この日は、私の誕生日だということで、私が先頭で先に場内へ入ることになりました。
中に入ると、それなりの雰囲気がありみんな私にしがみ付いて来ました。服がヨレヨレになる位に引っ張り回され、まともに前を向けませんでした。
中の細い通路に差し掛かると、そこは両サイドが鏡になっている場所でした。合わせ鏡です。
通路をゆっくり進んで行くと突然、鏡の中に双子の女の子が浮かび上がり、甲高い声で笑うという演出が始まりました。
その瞬間、友人達は一斉に「うわぁ~~」と悲鳴を上げると同時に先頭の私を突飛ばし、一斉に出口へ一目散に走って行きました。私は友人達に腕と背中を踏まれ、直ぐに起き上がれずに居ました。
「いってぇーな。あいつら。俺が出たら、お仕置きだ!!」独り言を言いながらようやく立ち上がると、通路の薄明かりのほうから、
「お兄ちゃん、大丈夫?痛かったでしょ。」と小さな女の子の声がしたのです。
最初は、「家族に置いて行かれたのかな?」と思ったのですが、姿が暗くて見えませんでした。
声のしたほうへ近づいていくと、白いフワっとしたワンピースを来た7.8歳位の女の子が居ました、赤い靴が印象的だったのを覚えています。
私「迷子になったの?」
女の子「ちがう。」
私「お父さん、お母さんは?」
女の子「知らない。」
私「とりあえず、一緒に外に出ようか?」
女の子「ううん。(顔を横に振る)」
私「こんな暗くて怖い所に居たら、怖いし危ないよ。」
女の子「ここで、お父さんとお母さんを待ってる。大丈夫だよ。私慣れてるから。」
女の子はニッコリ笑うと、また中のほうに戻って行きました。
私は、踏まれた背中と腕が痛くて、追っ掛ける気力がなくそのまま、出口へ向かい無事ゴールしました。
出口では、友人達が待ち構えて居ました。
「本当にごめんなさい。突飛ばしちゃって。」
謝罪が第一声だったこともあり、お仕置きしてやる気持ちが萎えました。
その時、友人Bが「きゃぁ!!」叫び声を上げました。何かなと思い聞くと、
「背中に足跡が3つ付いてるよ!!」って、驚いていました。
「あなた達が、付けたんでしょうが!!」
私は思いきり声を大にして、叱りつけました。
みんなは、期待した様です。幽霊の足跡だと。
みんなに先の女の子の事を訪ねました。
友人C「そんな子、居なかったけど。」
友人D「私も見てないよ。」
私「じゃ、その時はまだ何処か別の所にいたのかな。何か家族とはぐれたみたいだったよ。」
友人E「スタッフに言ったほうがいいよ。」
私は気になったので、出口担当のスタッフに、中での出来事を話しました。
スタッフ「おかしいですね。ここは、親御さんがいても、12歳以下は入場禁止になってますので、そのようなことは決してないと思いますが。」
私の頭は謎だらけ。
そこで、似顔絵を書いて見せました。入口担当のスタッフにもすぐに確認をしてもらいましたが、今日はそのような家族は来てないとの回答。因みに、演出ではそのような演出はないとのこと。
その時、このお化け屋敷の企画担当をされている方が、後から声を掛けてきました。
企画担当「見ましたか·····。」
私「何かご存知ですか?」
企画担当「似顔絵、見せて下さい。」
似顔絵を渡し見てもらいました。
企画担当「うん。特徴を捉えてますね。上手に書けてます。」
私「ん?」
企画担当「ここの場所、毎年お化け屋敷のイベント夏限定でやると、数人のお客様から同じ様な事を言われるんですよ。見た人は全員、この似顔絵の女の子のこと。」
私「じゃ、この子はこの世に存在しない子?」
企画担当「そうです。なぜなら、入場者全員が見ている訳ではないから。きっと、見えた人には特徴があるんでしょ。わっはっは。」
私「(捉え方が軽!)じゃ、私にだけみえた?私は霊感ないはずなのですが。」
企画担当「そんなのは関係ないですよ。あなたの何かが引き付けたのでしょう。きっと」
謎が解けましたが、後味が悪かったのを覚えてます。また、この時が初めて幽霊が見えると実感した日でした。
この怖い話はどうでしたか?
chat_bubble コメント(2件)
コメントはまだありません。