言っているんだテツ。さっきはあの人一人しか家に入れてないぞ？」 テツ「でもいたんだよ。その女の人、すごく目が怖くて我慢できなくて泣いちゃったんだ。」 老人にはテツの言うことの意味が分からなかった。しばらくして警察が村に入った。 警察「被害に合われた方はここの住人ということで間違いないですね？」 老人「はい。それで犯人はどうなったのですか？」 警察「それが、まだ発見できておらず現在も捜索中です。」 老人「そうですか。」 警察「しかし犯人はこの雨の中で殺しをはたらいた訳ですからね。近くにいるはずなんですが。」 警察「車で逃走しているのですがこの村を通った車は見ましたか？」 老人「先ほど一人の中年の方が来ましてね。お疲れの様だったので泊めてあげようとしていたのです。」 警察「その男は今どこにいますか？」 老人「殺人があったと話をしたらこの村を出ていきましたよ。」 警察「どっちへ？」 老人「獣道の方を通って行きましたね。」 警察「おい！獣道の方角だ！急げ！」 警察「情報提供ありがとうございます。」 そう言って警察は村を後にした。 タバコを蒸かしながら一人の男が車を走らせていた。 男「やっぱり山に捨てた方が良かったかねぇ。」 そんなことをぼやきながら男は片手でハンドルを握り、もう片方の手で二つの球を転がしながら山に入って行った。