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短編

軍装の麗人

チコ 2020年12月17日
怖い 162
怖くない 164
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仕事を終えて職場を出たのは宵の口だった。 駅に向かう道すがら、前方の暗がりに異様な人影を見つけた。 カ-キ色の軍服軍帽に身を固めてマントを羽織った異様な姿は、映画やTVドラマで御馴染みの旧帝国陸軍の軍人にしか見えなかった。軍人はマントを翻し軍刀を引っ提げて私の方にツカツカと歩み寄った。21世紀の日本健児とも思えぬ痩せこけた体躯、死人のような真っ白い顔・・・どうやら帝国軍人の不成仏霊に魅入られてしまったらしい。私は背筋が凍り立ちすくんだ。 霊は私の傍に来ると敬礼して「大本営に出頭されたし」と言った。女のように甲高い声だった。 そしてハガキサイズの赤い紙を突き出した。暗くて細部はハッキリ見えなかったが「召集令状」 と書いてあるのが読めた。私は恐怖で咳き込んだ機を捉え、風邪を理由に出頭を拒み、駅に向かって逃げた。 霊は敬礼して見送り、「ご武運を!」と短く叫んだ。 危ないところだった。コロナ禍の最中でなければ、連れて行かれたかもしれない。 逃げ込んだ駅のホームで赤い召集令状を読んだ。 「軍人コスプレイヤ-が盛り上げる!飲み放題・歌い放題30分3000円ポッキリ!」と書いてあった。 駅の名前は秋葉原。お寄りの際は、帝国軍人の霊にご注意を。

後日談:

  • 軍歌を嫌う外国人客も多いそうで、大本営の中は、軍歌は禁止だそうです。霊に呪われたのか、帰宅後に心が折れるような知らせが入り、風邪をひいて寝込んでしまいました。

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