
短編
赤いフロア
匿名 2日前
chat_bubble 0
1,440 views
マンションやビルなどのエレベーターに乗っていたら、エレベーターに異変が起きて異世界に行ってしまったという話を聞いたことあるだろうか。
語り手がエレベーターに乗ったら、エレベーターが大きく揺れて、扉が開くとそこは異世界だったという話だ。
エレベーターから見える異世界では物音もせず、空が一面真っ赤、建物などはシルエットのように真っ黒な文字通りの異世界だ。
語り手はエレベーターから降りずに戻ってきたので辛うじて元の世界に戻ることができたが、そのときにエレベーターから降りてしまった人たちとはその後会うことはなかった。
という話で、それ以来俺はエレベーターしかない建物を除いて階段で移動することにしていた。
スマホで歩数をカウントするのも日課なので、階段の方が歩数を稼げていいかなとも思っていた。
あるホテルでは廊下に「階段室」と書かれた扉があり、従業員だけでなく客も階段で移動できるようになっていた。
だが扉で閉じられ、誰もいない通路は何か心細く、普通はエレベーターで移動する客が大半だった。
そんなある晩のこと。
ホテルの4階に部屋をとっていた俺は、いつものように階段室の階段で上に上がっていった、
勿論すれ違う人も先方を歩く足音もない。
途中、3階の階段室扉の前まで来たとき、扉が少し開いていた。
ストッパーのようなものでほんの数センチ開いているような感じだったが。
何か違和感を感じて、その扉のノブを掴んで少し開けて見ると・・
そこは真っ赤なフロアだった。
壁もドアも絨毯も一面真っ赤で、窓の外の景色だけが黒だった。
「何これ?」
そういうデザインなのかとも思ったが、一般的なホテルでこんな一面真っ赤なんておかしい。
俺は見てはいけないものを見たような気がして階段を登り上に上がった。
あとで分かったことだが、そのホテルはいつ泊まっても3階の部屋に案内されることはなかった。
エレベーターの3階は何故か押しても反応しないし、階段室も3階に続く扉だけ鍵がかかっていた。
従業員に3階について聞いてみても何も教えてくれない。
あのホテルの3階は一体何なんだろうか?
この怖い話はどうでしたか?
chat_bubble コメント(0件)
コメントはまだありません。