
高校2年生の私は、秋の夕暮れに仲間たちと工場跡地で遊んでいた。街の喧騒から離れたその場所は、少し不気味で、でもどこか魅力的だった。私たちは、イケナイことだとわかっていながら、夜を楽しむことに夢中だった。
しばらく遊んでいると、突然数人の男たちが現れ、私たちを囲んだ。彼らの目はギラギラしていて、明らかにナンパ目的だった。しかし、私たちはただ遊びたかっただけだ。私は友達を守るために立ち上がった。
実は、中学の時からキックボクシングを始めていて、兄があたしを特訓してくれたこともあり、若干の自信があった。だが、実戦は初めて。私は、目の前の男たちなんて、数秒で倒せるだろうと考えていた。
彼らが友達の手を掴もうとした瞬間、私はキレた。男の手を払いのけ、強烈な蹴りを放ち、別の男にパンチを浴びせた。「逃げて!!」友達を逃がすことには成功したが、男たちが立ち上がり、私を取り囲んだ。
「ちっ、この女、なんだ?」「ムカつくな!」彼らは私に襲いかかってきた。私は必死で攻撃を返したが、彼らの力には到底敵わなかった。気がつくと、私は地面に倒され、髪を掴まれて引きずられていた。「きゃあぁ!!」服が破られ、絶望感が押し寄せる。肋骨が折れる痛みを感じながら、私は防御の姿勢をとった。
すると突然、暴行が止まった。男たちの叫び声が響き、何かが始まった。私は恐る恐る隙間から様子を覗くと、そこには恐ろしい姿の赤鬼が立っていた。男たちは恐れおののき、彼に投げ飛ばされていた。「鬼だ!」思わず声を上げる。
赤鬼は男たちを次々と叩きのめし、最後に倒れた男の側頭部を狙っていた。「ダメっ!!」私の叫びが響く。赤鬼は一瞬振り返り、「子供は早く帰んな」と言い残し、去って行った。あの姿は一瞬、兄の姿に見えた。
「お兄ちゃん!?」私は叫び続けた。赤鬼が去った後、パトカーが到着し、警官に助けられた。友達が警察を呼んでくれたのだ。警官たちは私が暴行を受けたことを心配していたが、私の心は別の理由で痛んでいた。
兄が、私に負けていたのは、実はわざとだったこと。そして、あの赤鬼が、3年前に亡くなった兄に似ていることを思い出した。兄は格闘技を通じて私を守るために、鬼になって現れたのだ。
それから、私は心を入れ替え、自分を鍛え直そうと決心した。「どこかで見てくれてるんだよね、兄ちゃん。」と呟きながら。
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