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診療所の影
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診療所の影

12時間前
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里奈は新人看護師として、ある小さな病院で働いていた。

その病院の裏庭で、彼女が勤務を終える頃になると、いつも同じ不気味な女性が現れるようになった。

その女性は、まるで何かを訴えかけるように、里奈に近づいてきては、意味不明な言葉を繰り返していた。里奈の同僚であるベテラン看護師の美咲は、その様子を心配していた。

「里奈、その女性は何を言っているの?」

「それが、全然分からないの。『娘が…』とか言ってるみたいだけど、聞き取れないの。」

「ふーん、不気味ね。彼女はどこから来てるのかしら?」

「院長に聞いたら、どうやら患者さんらしいわ。認知症を患っているって。」

「なるほど、そういうことなら仕方ないかもね。」

数日後、里奈が仕事を終えて裏庭を通ると、またその女性が待っていた。

今日は、友人と共に秋の夜空の下で楽しい時間を過ごす予定だった。

「美咲さん、またあの女性がいる!」

「大丈夫、私が彼女を引き止めておくから、さっさと帰りなさい!」

里奈は美咲の助けを得て、無事にその場を逃れ、待ち合わせの場所へと向かった。

一方、美咲は女性に向かって言った。

「あなた、いつもここにいる女性はもう駅に向かっていますよ。」

すると女性は驚いて、目を見開いた。

「それでは、彼女も私の娘と同じ運命を辿るのか…」

「何を言ってるの?彼女はあなたのことを心配しているのよ。認知症だって自覚しないと、周りも困るの。」

美咲は少し厳しい口調で言ったが、女性は動じなかった。

「私が興味があるのは、その娘ではない。彼女の背後にいる影に興味があるのじゃ。」

「影?何を意味しているの?」

女性は美咲をじっと見つめた。

「その影は、以前私の娘に取り憑いていたのじゃ。娘はそれにより、精神が崩壊して自ら命を絶ったのだ。」

「なんてこと…」

美咲は背筋が凍る思いがした。里奈は無事なのか?

慌てて里奈に電話をかける。

「もしもし、里奈!大丈夫?」

電話の向こうからは、元気な声が返ってきた。

「美咲さん?どうしたの?」

「今どこにいるの?」

「今は駅のホームで電車を待っているけど、何かあったの?」

「いや、なんでもないの。ところで、前に見せてくれた友達の写真を送ってもらえない?」

「え?もちろん。今送ったよ。」

「ありがとう。じゃあ切るね。」

美咲は電話を切り、送られてきた友人の写真を女性に見せた。しかし、女性は首を振った。

「この子ではない。影の奴はもっと恐ろしいものじゃ。」

「その影って、結局何なの?」

女性はため息をつき、看板を指差した。

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