
長編
魔法の言葉
匿名 3日前
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腕には私たちの誓いの印Never say neverが虚しくそこにいた
警察は自殺、そう断定した
けど私は警察の判断を信じることはできなかった
だってあんなに二人で夢を語っていたのに。綾乃が自殺?そんなのあり得るわけないじゃないか
あいつだ。きっとあの男が。
お葬式すら来なかったあの男の仕業に違いない。
けど証拠も出ないまま綾乃は火葬された。
どうやら彼氏が泣きながら可哀そうだから早く火葬してあげたいと言ったらしい
あいつのせいに違いない、けど、
お金持ちになる!と言い始めたのは私だった
私があんなことを言わなかったら綾乃は死ななかったかもしれない。
私にもっと力があったら綾乃を助けられたかもしれない。
あのとき、最後の時、手を離さなかったら今もここにいたかもしれない
きっと狭くて苦しい中綾乃は助けを呼んでいた
おかしくなっていく自分に恐怖しながら泣いていた
ごめんなさい。 綾乃。 救えなくて 本当にごめん 。
私は永遠の眠りにつく綾乃の傍らで静かに涙をこぼした
そしてあの事件から2年が立っていた
結局美容師はやめてしまい今はOLとして会社に勤めている
そして私は彼氏が出来き、初めての同棲をしているのだ
彼氏こと西野 佑太 は不器用だけど優しくてとてもいい人である
同い年ということもあり変に気を遣うこともなく毎日楽しく充実した日々を過ごしていた
「ただいま~」
「ん?ああ、お帰り。どこ行ってたの?」
携帯をいじりながら聞いてくる佑太
確かに土日の休みに一人で出かけることもだいぶ少なくなったもんだ
「海に行ってた!少し早いけどこれから夕飯作るから待っててね~」
私は買い物袋から食材を取り出してパパっとパスタを作っていく
私と彼の好物であるペペロンチーノはいつの間にか得意料理の一つとなっていた
料理をしていると
カリカリカリ カリカリカリ
皮膚を搔きむしるような音がする
また、だ
佑太との同棲に幸せを感じていた私だが唯一悩みがあった
それが最近起きる不可解な現象である
最初は夜だけだったが今は昼でもたまに聞こえる皮膚を掻くような音
部屋全体に響いてる感じがしてどこから聞こえるかは特定できなかった
そしてもう1つ。
イラストを描いているときに視線を感じ廊下を見ると誰かの影がよぎる
佑太かと思い寝室に行くも彼は寝息を立てて寝てい
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- 普通に感動する話だった夢の魔女