
長編
山中のキャンプ場
匿名 3日前
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初めての体験でもあり、手作り料理を食べれてとても楽しい気分でいっぱいでした。夕食を食べ終えた頃には午後7時頃だったので、テントに戻りお風呂の準備をした後にキャンプファイヤーをする場所へ向かいました。
夜のイベントは午後7時から午後9時までキャンプファイヤーやレク、肝試しで終わった班から順番にお風呂に向かってくださいというものでした。
キャンプファイヤー会場に到着し、私は友達の横でキャンプファイヤーが始まるのを待ってました。小学六年生達4人が代表で火の精霊になってキャンプファイヤーに火を灯していき、そしてキャンプファイヤーが始まりました。綺麗なキャンプファイヤーを見ながら、皆でレクをしたり歌を歌ったりとても楽しい時間を過ごしていました。私は夢中なって楽しんでいた時でした。横で一緒に楽しんでいたはずの友達から声をかけられました。
友「ね、あのさ。」
私「ん?どした?」
友「あそこ誰かいない?」
私「え?」
友「誰かいる」
そう言われました。友達が指さす方は木々が生い茂っている場所で到底誰かいるとは思えませんでした。実際、私たちがいるキャンプ場は山中にあり、立ち入り禁止区域もあったため人が立ち入れる場所も限られていました。けれど、何度も友達は私に、
友「誰かいる。あそこ見て。」
と言いました。私は目を凝らしながら友達が指さす方を見ました。何度見ても分からずその都度、「誰もいないよ。」と言っても「あそこにいる。いいから見て。」とその子も言い続けていました。いつもと違う様子の友達に違和感を覚えながらも、そのやり取りを数回続けていた時でした。私も見たのです。山の中に人が立っているのを。木々が生い茂っている中に立っている白い女性を。
思わず友達に、
私「え、あれ人?あそこ山の中じゃ…」
と言いました。
しかし、私がそう声をかけた時には友達はいつもの雰囲気に戻っており何事も無かったかのようにレクに参加していて、私に何度も見てと言っていた時のような様子ではなくなっていました。まるで、私が認識するのを待っていたかのように。その後私は、レクどころではなくなり何度も何度も山の方角を見てはその女性がいる所を気にしていました。なんであそこに女性がいるのだろう。そもそもあそこに人は立ち入れるのか。なんで木々が生い茂っている間に女性がいるのが見えるのだろう。と思っている内にキャンプファイヤーとレクは終わり、1日目最後のイベントの肝試しが始まりま
後日談:
- その後も何度か夏キャンプへと参加させて頂きましたが、あの時と同じ体験は1度もしていません。 私が中学生になった頃、夏キャンプは廃止となり二度とそのキャンプ場へ行くことは無くなりました。 今でもあの時の体験が忘れられず、私に何度も見てと言ってきた友達にその時の話をしても1ミリも覚えておらず、意味がわからないという顔をされます。 もしかしたらあの時、友達は操られていたのではないか、あの時の女性はなんだったのかと時々今でも思い出してしまいます。
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