
「廃屋の学校って知ってる?」
「知らない」
彼女の心霊スポット巡りに内心うんざりしていた。デートの常連コースはショッピングか、いつも不気味なスポットだった。
「すごいらしいよ。」
「ふーん……」
彼女は廃屋の学校について詳しく説明を始めた。この場所は、廃校になった後、忘れ去られたように放置されている。中には不気味な絵が飾られており、特に職員室にある絵を見ると悪影響があると言われている。
「ヤバいでしょ!?」
「ありきたりだなぁ。公園とか映画館は?」
「じゃあ一人で行くからいい!」
結局、二人で行くことになった。
廃校まで車で30分ほど。周囲は静まり返った田舎道。廃病院や廃ホテル、古いおもちゃ屋などが点在する。廃墟の数を数えながら、やけくそな気分になった。
町の外れから続く古い道を進むと、建物が見えてきた。「ここだよな……」
「外観からして不気味だね」
外壁は色あせた青色で、所々剥がれ落ちていた。玄関への草むらは鬱蒼としており、来たことを後悔した。
玄関は施錠されていて、窓から中に入った。
「確かに廃校っぽいな」
「雰囲気あるね!」
教室内は、バブル時代に設計されたもののような古びた雰囲気が漂っていた。机や椅子が散乱している中、目を引くのは壁に飾られた絵だった。
『夜の校庭で遊ぶ子供たち』
『薄暗い教室』
その絵は、学校の風景を描いていたが、どこか不気味な印象を与えた。
「職員室、行ってみるか?」
「……うん。」
職員室のドアを開けると、何かが違った。
「この部屋だけ何もない……」
「ほんとだ……」
他の部屋は荒れ果てていたのに、この部屋だけは綺麗に保たれていた。ベッドや机がそのまま残されていた。
妙な緊張感が走った。
「あの絵だ!」
彼女が指さす先を懐中電灯で照らす。絵には、薄暗い教室の中で背を向けた女が描かれていた。彼女の後ろには、何かが隠れているようだった。
「この絵……」
「え?」
「この部屋を描いてるぞ」
懐中電灯を持つ手が汗で滑る。恐る恐る、絵の近くにあった古い机の下を照らす。
「これは……」
子供の靴だ。絵に描かれた子供と同じ靴。思わず絶句し、静まり返った部屋に響く音があった。
『キィ……キィ……キィ……』
同時に気付いた。音は絵の方から聞こえてくる。女の笑い声だ。
「帰るぞ!」
彼女の手を引いて、急いでリビングの窓へ向かった。笑い声が近づいてくる。窓から外へ飛び出し、車に乗り込んだ。町に出るまで無我夢中で走り続けた。
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